無計画かつ無謀な独立開業に失敗して食うことにする困っていた一時期、金融業界に
特化した人材紹介会社に籍を置いていたことがある。
その会社の仕事は、金融系の人材を銀行・証券会社に紹介し、紹介した人の年収の
20% を紹介料として受け取るというビジネスをナリワイとしていた。
リーマンショックの前、金融業界の景気が良かった頃は、人材に対する引き合いも多く
短時間で高収益を稼ぎだせる非常に効率の良いビジネスを行っていた。
ところが、リーマンショック以降は案件が激減、リストラの嵐が吹き荒れ、求人に対して
求職者の方がはるかに多くなってしまった。そんな時期に、自分はその事務所に居候
していた。
自分が勤めていたメーカーもそうであったが、金融機関にとっても人件費は常に重荷である。
滅私奉公で会社の為に24時間働ける30代とは異なり、40を過ぎたあたりから若い頃から
の無理がたたって身体にガタが出てくるし、守るべきもの(妻子、マイホーム etc)がある
ので、若い頃のように身軽に動けなくなってくる。
又、加齢に伴い、一部の超エリートを覗けば転職市場での市場価値は日本社会の不文律
(見えない年齢制限)である35歳のラインを過ぎるとドンドン落ちていく。
何処に行っても生きていけるように英語の力をつけましょう、○○○の資格を取りましょう
といった商売が今も昔も盛んであるが、寒風吹きすさぶ会社の外に出て自分が持っている
スキルだけで食べていくことは非常に困難である。
そういった能力開発のサービスを売る連中は、能力が高くてもそれだけでは食っていけない
という現実を知りつつも、せっせとサービスを売りつけようとする。
会社で行き場を失った中高年に、能力・資格による自己実現という幻を見せて、その幻に
縋るしかない人達を食い物にしているが彼等の商売と言っても過言ではない。