はじめに

 

昨日の空手の練習では

 

目線の大切さを、強調された。

 

空手では初心者ほど、形の中でも目線の鋭さに欠けていたり

 

瞬きが多かったりするものである。

 

 

 

また、今度は逆に目が強すぎて

 

睨むような目つきになる入門者も多い。

 

確かに瞬きが多すぎる者よりは睨む方が、ましかもしれない。

 

しかし睨むとどうしても視界が狭くなり、

 

今度は逆効果である。

 

 

ではどのようにすれば良いのか。

 

今日はその辺りの目線のことについて

 

多くのことを学んだので

 

自戒の念を込めて、書いて行きたい。

 

 

一眼・二足・三丹・四力

 

そもそも、空手において「目」はどのくらい大切なのか。

 

答えは「1番」。

 

「一眼・二足・三丹・四力」

 

という通り、目付けは最も大切である。

 

 

 

目線がブレれば全てがブレる。

 

日常生活でも、目が泳ぐ人は心が定まっていないことが多い。

 

つまり心までもが「ブレる」のだ。

 

 

 

どんなに体を動かす技術が乏しくても

 

目付けを意識することは入門者でも可能だ。

 

「目」は一番簡単だが、一番大切。

 

ただし、簡単なことを疎かにしていては

 

何事も成長は期待できない。

 

 

では、どのように相手を見れば良いのか。

 

それは自分の眉間で相手の全体を捉えるイメージ。

 

ブッダにも、おでこに点がある。

 

ウルトラマンも眉間からビームを放つ。

 

そんなふうに眉間から光線を放ち、相手の全体を捉えると良い。

 

 

 

気を付けたいのは、

 

先ほども書いたが

 

相手から目を離してはならないが

 

相手を睨みつけないこと。

 

睨みつければ視界が狭くなる。

 

相手の目だけを睨みつけて威嚇していたとしても

 

視界の外から入ってくる回し蹴りなどの攻撃を防ぐことはできない。

 

一点を見るのではなく

 

全体を見る。

 

これこそ目付けの極意である。

 

 

 

次に大切なのは足運び。

 

そして丹田。

 

下腹に意識を集中させる。

 

そして力。

 

むしろ力には頼ってはならず、最後についてくる感じ。

 

逆に力に頼った動きは精細さを欠き

 

エネルギーの消費が大きい割に

 

相手に的確なダメージを与えにくくなる。

 

「目を大切に、力は後」

 

忘れないようにしたい。

 

 

残心における目線

 

武道には必ず残心がある。

 

それは、相手がまだ立ち上がって向かってくるかもしれない

 

という事態に対応するためであるが、

 

これは何事にも応用ができると私は思う。

 

例えば、ビジネスの場でも

 

別れる際のお辞儀をした後

 

柔らかな表情で、こちらに目線を残してくれる相手には

 

良い印象を持つものである。

 

逆に、お辞儀の後、

 

すぐに目線を切って他の方向を向く人間に対しては

 

あまり良い印象を持たないものである。

 

「相手に心を残す」

 

これが、全てにおいて通ずるものである。

 

 

 

弓道との共通点

 

私は高校時代弓道部に所属していた。

 

自分で言うのも何だが

 

かなり熱心に取り組んでいた。

 

主将に任命され、県大会で優勝した経験もある。

 

 

 

それはさておき、

 

空手では様々な形があるが

 

今私が取り組んでいるのは

 

ナイハンチと言うものである。

 

閉足立ちで立ち、両手で大きく円を描く。

 

その後に首を真横に向け

 

左、右をそれぞれゆっくり見つめる。

 

この時に師範から

 

「左側を見るときは、右目で見るように」

 

との指摘があった。

 

この指摘は

 

高校時代、私が弓道部の先輩から受けた指摘と全く一緒だった。

 

顎を引き、鼻先を左側の演舞線と重ねる。

 

右肩が前に出そうになるが

 

それをグッと我慢する。

 

その「我慢」こそが「張り」となる。

 

「張り」を開放することにより

 

力の抜けた

 

それでいて鋭いパワーが生まれる。

 

まさに弓と一緒である。

 

過去に取り組んでいたことが

 

色々と繋がってくる。

 

 

 

組み手における目線

 

組み手は

 

自分一人の動きに集中できないなめ

 

動きがバラバラになったり

 

肩に力が入ったり、

 

変な力みが生じたりするものである。

 

では、どうすれば良いのか?

 

それこそ「目線」である。

 

自分の眉間の一点と

 

相手の眉間の一点を結んだら

 

あとは全体をぼんやりと見る。

 

 

そう言う見方ができるようになったら

 

相手の右手から放たれる上段突きも

 

自分の左手の手首の裏側で

 

軽くキャッチするような感覚で交わすことができる。

 

当然、よけた後も相手をしっかりと「見る」

 

そして次の技が放たれても「見る」

 

相手の眉間と自分の眉間を意識することで

 

自分の中心軸がブレることもなくなり

 

相手の正中線を捉えることができる。

 

相手の正中線に自分の全てのエネルギーを爆発させることで

 

相手に強いダメージを与えることができるようになる。

 

組み手こそ、目付けが大事である。

 

形における目線

 

形においても目線は重要である。

 

形では、相手をイメージしながら演舞することが大事であるが

 

もしそれを怠れば

 

ただのダンスとなる。

 

では形の向こうに見えるのは誰を想定すれば良い?

 

ムカつく上司?

 

わからずやの妻?

 

いや、答えは自分だ。

 

弱さや、邪念がいっぱいの自分をやっつけるイメージで演舞すると

 

最も綺麗な演舞ができる。

 

まとめ

「見る」たったこれだけのことなのに

 

これだけの意味が詰まっている。

 

大事なことはいつも

 

簡単なことに隠されている。

 

でも簡単なことを怠っていては

 

何事にも栄光は得られない。

 

このことを胸に刻み

 

次の練習に励んで行きたい。