山野草木彫りつれづれーシラネアオイ
もう高い山には登れない、思い出にふけるだけだ。この花に初めて会った
のは北海道の恵庭岳、それから焼石岳、雨飾り山と何度か会うことがあった
懐かしい花だ。 高山植物の女王と言われるだけあって、姿よし、色よし
群生よしで、どこで会っても感激した。 地方の意外な場所にも愛好家が
秘密の場所として楽しんでいる
「自己流のつたない木彫り作品の独り言」
雪解けの水が流れている山の小道に、この美しい花が
かたまって咲いている見ると、幸せな気持ちになる。
会えそうで会えない花、ネットで見ると各地の山に群生
地があるようですが、いざ会いに行くとなるとなかなか
会えない花の一つです
初めて会った北海道のシラネアオイ群生
キンポウゲ科シラネアオイ属シラネアオイ(白根葵)
和名は日光白根山に多く、花がタチアオイに似ること
から付けられた。 亜高山のやや湿り気のある場所
に分布し、高さ20~30cm、花弁はなく、7cmほどの
花のような大きな萼片が付く。
花は萼片の中央に黄色い小さな花の集合で付き
ますが、秋になれば写真のように、種がぎっしり入った
立派な実をつけ、来年また美しい花を咲かせてくれます
このようなはっきりとした山野草は、木彫りにするのに
むいている。 更に葉も大きく立派で、花を引き立てている。
花を2輪大きく配置し、背景に葉をあしらった構図とした。
四角形の素材に八角形の枠を設け、外形にフインを
付けた。 透かしは正面の斜め透かしと、側面の模様
透かしとした。
デザインは写真を見ながら、花の配置を決め、背景を
決めるが、慣れたせいもありさほどの時間はかからない。
絵(水彩)を描き、飽きると木彫りを行う。 私の絵の
場合は、モチーフ、構図設定に時間がかかるが、それに
比べ木彫りはわりと簡単である。 作品の制約がある
ため絵ほど変化を持たせることは出来ない。
シラネアオイ 桂材 13*11cm 2019年
古い木彫り作品(10年前)を出してみると、経時変化で
素材の木の色が濃くなり、桂の素材の美しい肌色が失われ
残念に思うこともあるが、それがまれに良い効果を出す
時もあるため、ニスを使うことはない。 ニスを塗ると
木目の彫跡が消えてしまうと思っている。
山野草木彫りつれづれーヤマボウシ
春の山道を歩いていると、谷間の林の中にひときわ目立つ樹木
が目につく。 近づいてみると、あまり大きくない木に大きな白い
花を一杯付けているヤマボウシであった。 ここ奥入瀬のホテルの
看板越しに咲く目いっぱいの白い花は、見事ホテルの名を
引き立てていた
梅雨に入る前に、前から行きたかった奥入瀬の渓流を
散策しました。 焼山のホテルの庭のヤマボウシが輝いて
素晴らしい旅を予感させます。
ヤマボウシの隣にあったエゴノキも懐かしい
ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ(山法師)
この特徴のある花が山に映えるのは、6月~7月 9月ごろ
食用になる球形の赤い実を付けます。
よく目立つ白い4枚の花弁状の総苞片が特徴で花は中央に
淡黄色の小さな花がかたまって球状に集合しています。
この姿が、山中を修行する山法師に似ていることから
命名されました。
確かに花が修行僧の頭、総苞片が白い法被です
類似の花の木にアメリカハナミズキがありますが、別名
アメリカヤマボウシと言われ、 戦前に日本から米国ワシントン
市に送ったソメイヨシノの返礼として、アメリカから贈られた木で
有名です。 今では一般的に市街地で見られる樹木です。
今回デザインを少し凝ってみました。 定寸の110*110
*40mm厚さの、素材を八角形にして、花2輪、葉を3枚あしらった
透かし彫りです。
特に外周に装飾用の「ひだ」を4片つけました。 本体素材の木の
色に対し、ひだは黒色のタガヤサン(鉄刀木)の南洋材の薄板
を使用しています。
透かしの模様はもう少し正確に作りたかったですが、細かすぎて
形状が不ぞろいになってしまいました。
今回は塗装なしで、素材のままです。
ヤマボウシ 桂材 16*16cm 2019年
今回もまた壁掛けにしました。 白い壁のフックに
掛けると映えると思います。
山野草木彫りつれづれーツワブキ
冬の寒風が身に凍みる早朝に、垣根の中から顔を出している、
この花を見るとホッとします。 鮮やかな黄色の花、フキの葉に似た
光沢のある大きな葉は、冬のほかの草花がない時期の頼もしい
存在です。 海岸性の花であるにかかわらず、最近は市街地の
植え込みのそばにも顔をのぞかせています。
「自己流のつたない木彫り作品の独り言」
キク科ツワブキ属ツワブキ(石蕗)
フキに対し「艶のあるフキ」とのことからの、命名です。 フキと
明らかに違う点は、茎がフキのように中空ではなく、中実な点
です。 それに葉の光沢が違いますね。
花茎も30~70cmと背が高く、葉より抜き出しています。
早朝の気温5度Cでの見事な花
私は今までつくだ煮のキャラブキは蕗と思っていました、
しかし本来はこちらが本家のようです。
キャラ(伽羅)色とは仏教用語で黒、黒く仕上げた蕗、そこから
「キャラブキ」が生まれたようです。
茎の採取時期は6月までのようです。
ツワブキのきゃらぶき 高級感あり
(写真借用 cookpad つわぶきのつくだ煮)
今回も壁掛け型にしてみました
長方形の素材(110*130*40mmt)から正六角形のデザイン
にしました。 壁掛けでもあり、台座なしのシンプルな形状です。
白壁に映えるよう、木彫りが目立つように、着色部分を増やして
います。
当初 もう一個半開きの蕾がありましたが、手元が狂い細い
花茎を破損させたため、省きました。
いつも細心の注意で彫りますが、失敗はつきものです。
ツワブキ 桂材 110*130mm 2019年
花茎はキャラボクにするくらいですから、実際はもっと長い
のですが狭いスペースに押し込みました。
花はキク科のタンポポに似ていますね、しかし花びらの
つき方では、タンポポのような整然としたものではなく、
間隔が不ぞろいで、花の変化もあります。









