先日、知り合いの書家の先生にご紹介いただき、小室かな料紙工房さんの仕事場を見学させていただきました。
茨城県常陸太田市、初めて訪れる地です。
かつて茨城県内にアトリエを構えていた彫刻家の友人安部大雅さんに場所について聞いてみると、
「遠い!車じゃなきゃ無理だ!車出そうか!?」
というありがたき提案に乗っかって、安部さんと、奥さんで陶芸家の則子さんと、私の3人で、貴重な工房見学、行って参りました。
さて、かな料紙とは何でしょう?
これがかな料紙。
かなを書くための用紙です。
美しい!!
白い和紙に、色を染めたり柄をつけたり箔を散らしたり、というような加工をなさっているのが、かな料紙職人の小室さんです。
その作業はすべて、すべて、どこまでも手作業で、感嘆するばかりでした!
通常、かな料紙を作る作業は分業制が一般的らしいのですが、小室さんは全ての工程をお1人でされるという、凄い技術をお持ちです。
工房に到着してさっそく出迎えてくれたのが、釜!
ぐつぐつ、ぐつぐつ、、、
木の皮が煮込まれています。
何日も煮込むのだそうです。
この液で紙を染めるのですね。
釜のある小屋、外観。
外には薪が積まれています。
何とも、日本人の郷愁を誘う風景です。
さてさて、仕事場の室内にご案内いただき、実際に木で染めた紙を見せていただきました。
自然の、やさしい、和の色です。
何の素材でどんな色を染めるかは、小室かな料紙工房さんのWebサイトにございます。
http://kanaryoshi.com/materials_tools/materials/dyestuff/
それで、画像の料紙、よく見ると柄がついているのがお分かりになるでしょうか。
手前に波のような柄が見えますが、この柄は、版木を使用して、擦って柄を付けているのだそうです。
版木も、小室さんご自身で彫っているものもあるそうです。
通常は専門の職人さんが彫るものだそうですが。
小室さんの多才さに感嘆です。
こちらが版木。
そして次に箔加工の工程を見せていただくことに。
紙に糊が引かれていきます。
この刷毛もたくさんありました。
こちらは砂子といわれる、ツブツブの細かい金を撒いているところ。
竹の中に入った砂子をトントン、と叩いて、紙の上に落としていきます。
叩く強さ、撒く分量、位置、すべて感覚での作業。
またもや、感嘆です。
そして次はもう少し大きな金箔を撒く作業を見せていただきます。
まずは金箔を切るところから。
金箔を扱う道具は竹製です。
金属の道具は静電気で貼りついてきてしまうのでNGとのこと。
それでも、竹の道具を使用しても、やはり冬は静電気が発生しやすく、作業しづらい季節なのだとか。
また、風が吹いてもいけないので、エアコンもNGだそうです。
竹のナイフを金箔の上にそっと置くと、箔が裁断されていきます。
とても繊細な作業に、見ている私たちは思わず息をのみます。
何の音もたたない静寂の中で、どんどん切られていきます。
こうして切られた箔が撒かれた料紙が、こちらです。
箔を扱う道具箱まで見せていただきました。
作業なさっている机。
繊細な作業をなさる場所なので、必然的に整然となるのでしょう。
他にも、継紙の技術などもご説明いただきました。
正直、こんなにも何もかもすべて手作業とは思っておらず、驚きと感動の連続でした。
私は書道を勉強しておりますが、漢字を専門にしており、かな料紙を使用する機会はこれまでありませんでした。
かな料紙について学んだ事もなく、未知のものでした。
しかし小室かな料紙工房さんでその手間暇を拝見させていただき、この紙に似つかわしい字が書けるようにならなければと大変刺激を受けました。
貴重な経験をさせていただけたことを大変ありがたく思います。
突然の訪問のご依頼を快く受け入れて下さり、貴重な熟練の技術を惜しげもなく見せて下さいました小室さんに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
おみやげに数枚の料紙と、小室さんが刷られた浮世絵の版画をいただきました。
小室さん絵まで刷られるとは!!
今回、初めての常陸太田市訪問ということで、観光も少し(^^)
常陸秋そばを頂いて、竜神大吊橋を見てきました。
【書玄堂学院 書道教室】
■新宿教室
第1・2・3木曜日 19:00~20:30
段・級取得可。写経、漢字臨書も学習できます。
■東京八重洲教室
第1・2・3水曜日 19:00~20:30
段・級取得可。写経、漢字臨書も学習できます。