血液-脳関門(BBB)は,全身投与後の薬物を脳に送達する際の主要な障壁である。
中枢神経疾患に対する治療薬の創薬開発は,薬物を脳に選択的かつ効率的に送達する技術の開発が律速であるため,他の疾患領域と比べ特に困難を極めている。
鼻腔内経路は,経口および非経口経路を超えるいくつかの利点を有する。
なかでも経鼻投与された薬物は,BBBを迂回することができ,主に嗅覚および三叉神経経路に沿った輸送を介してさまざまな脳領域に分布する。
そのため,鼻腔内経路は中枢神経疾患に対する治療薬を脳に直接送達できる非侵襲的で簡便な投与経路として注目され,ナノシステムの利用により近年脳に薬物を標的化できる可能性が示されている。
本総説では,鼻腔内からの薬物吸収性,鼻から脳への薬物送達に関与する輸送機構と鼻腔内薬物送達に利用されるナノシステムの役割について,我々の最近の知見を交えて概説したい。

鈴木 豊史, 鈴木 直人, 金沢 貴憲, 鼻から脳への薬物送達における輸送機構とナノシステムの役割, オレオサイエンス, 2020, 20 巻, 2 号, p. 61-69, 公開日 2020/02/06, Online ISSN 2187-3461, Print ISSN 1345-8949, https://doi.org/10.5650/oleoscience.20.61, https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/20/2/20_61/_article/-char/ja, 抄録:
インスリン(Insulin, 英語: [ˈɪn.sjʊ.lɪn, ˈɪnsəlɪn])とは、膵臓のβ細胞で産生されるペプチドホルモンである。 血中グルコースの肝臓、脂肪細胞、骨格筋細胞への取り込みを促進し、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調節する。 これらの細胞に取り込まれたグルコースは、グリコーゲンへ変換されるか、脂質生合成を経てトリグリセリドへ変換される。 肝臓においては、グリコーゲンと脂肪の両方への合成が行われる。 肝臓におけるグルコース産生は、血中インスリン濃度が高いときには強力に阻害される。