体重が58kgになりました。2年前と比べて約20kg減っています。どうしてそんなに上手く行くのか聞かれたのですが、なかなか説明が大変なので普段は、炭水化物抜きダイエットとかちまたに溢れている理由で説明していました。
でも、実は本当のポイントは心理学的なところにあるのです。ダイエットごときにまさかこんな話があるとはと思うかもしれませんが、影響は大きいのです。

アイデンティティーと言う言葉があります。日本では自己同一性とか訳されてわけがわからなくなったり、多様な使われ方がされており、誤解も多いですが、簡単に言うと自分自身が考える自分らしさのことです。気づくせよ、気づかないにせよ、普段私達の行動判断は、「自分が考える自分」にコントロールされています。
アイデンティティーはエリクソンと言う精神分析、発達心理学が提唱した理論です。
ちょっと怖いと思われるかもしれませんが、
他人のアイデンティティーは何であるかを探るのに簡単な方法はFacebookの写真です。
例えば、普段の仕事はサラリーマンだったり、看護師だったりする人が自分のプロフィールに自分のキックボクシングの写真を使っていたら、その人のアイデンティティーはキックボクサーに近いです。ランニングの写真を使っていたらランナーに近いです。また、自分のプロフィール写真をコロコロ変える人は、アイデンティティーが不安定な状態にあり、精神的にトラブルがある可能性が高いです。
犯罪、問題行動などを起こす児童に自分の自己像を描かせると自分の顔を真っ黒にぐしゃぐしゃに描くことがあるそうです。


いわゆる自分探しが馬鹿にされることがよくありますが、人間は問題にぶつかる時、自分の古いアイデンティティーを破って新しいアイデンティティーを獲得するところに成長があります。しかし、新しいアイデンティティー獲得に失敗すると自我崩壊、アイデンティティー拡散して精神的に危険な状態に陥ります。
エリクソンは人間の成長はアイデンティティーがポイントで新しいアイデンティティーを獲得できるかが大切だと言っているんですね。

さて話をダイエットに戻しますね。
人間は、人間の脳みそは基本的に現状維持を好みます。一度意識的にせよ、無意識にせよ一度自分のアイデンティティーができるとそれを変更することは難しいのです。例えば、自分で勝手に自分は総理大臣だと思っても本当に思い込むのは難しいのです。会社でそれなりの地位役職の人がリストラ、早期退職などで自分のアイデンティティーを失うと自己喪失状態になり、違う分野でそれに近いポジションを得ようとします。武道やボランティア活動の世界で権威主義志向の人でそういう人を良く見ました。

それと同じで体重70kgの人がいったん体重70kgの自己イメージ、アイデンティティーを持つと70kg以外に体重が変わることとに無意識の不安が生じ、何か落ち着かないのです。気づくにせよ、気づかないにせよ、ダイエットをすると、それに反対する思考、行動をアイデンティティーを守るために無意識にとってしまうのです。良くある心理メカニズムとして、「痩せれば私は可愛くなる、キレイになる」という気持ちを保たたま痩せない方が実際に痩せるよりも楽なのです。なぜなら実際に痩せた自分の本当の姿を見るのが無意識に怖いからです。

ですからダイエットに成功するためには、まず自分のアイデンティティー、自己イメージをいったんリセットする必要があります。これが簡単なようで難しいのですが。
昔は痩せていたが大人になって変わったという人は昔の自分を手かがりに新しいアイデンティティーを構築していけばいいと思います。
昔も今も太っている場合は、何か別の成功体験を鍵に新しいアイデンティティーを探っていけばいいと思います。あ、家族とか親戚にスリムな人がいたらそれを手かがりにしてもいいですね。

こんな心理学の知識ですが少しでも人の役に立てれば幸いです。