画像生成AIは、テキストや他の画像などの入力に基づいて、新しい画像を生成するAI技術です。近年、その品質が飛躍的に向上し、様々な分野で注目を集めています。主な種類とそれぞれの特徴を以下にまとめました。
1. GAN (Generative Adversarial Network: 敵対的生成ネットワーク)
- 特徴:
- 生成者 (Generator) と識別者 (Discriminator) という2つのネットワークが互いに競い合いながら学習を進めるのが最大の特徴です。
- 生成者は、本物に近い画像を生成しようとし、識別者は、生成された画像が本物か偽物かを識別しようとします。
- この競争を通じて、生成者はよりリアルで多様な画像を生成する能力を獲得します。
- 多様な画像を生成する能力が高い一方、学習が不安定になりやすい、生成される画像の品質がばらつきやすいといった課題もあります。
- 高解像度の画像を生成するには工夫が必要な場合があります。
- 代表的なモデル:
- DCGAN (Deep Convolutional GAN): CNNをベースとしたGANの基本的な構造を確立しました。
- StyleGAN: 生成者の構造を工夫することで、生成される画像のスタイルを細かく制御できるようになり、高解像度でリアルな人物画像を生成することで注目を集めました。
- CycleGAN: ペアになっていない異なるドメインの画像間でスタイルを変換することができます(例:馬の画像をシマウマの画像に変換)。
- BigGAN: 大量のデータと計算資源を用いて、非常に多様で高品質な画像を生成することができます。
2. VAE (Variational Autoencoder: 変分自己符号化器)
- 特徴:
- 入力画像を潜在空間と呼ばれる低次元の連続的な表現にエンコード (符号化) し、その潜在表現から元の画像をデコード (復号化) する構造を持ちます。
- 潜在空間が連続的であるため、潜在空間内の点をサンプリングすることで、元のデータに似た新しいデータを生成することができます。
- GANに比べて学習が安定しやすい傾向がありますが、生成される画像の鮮明さやリアルさはGANに劣る場合があります。
- 潜在空間を操作することで、画像の属性を滑らかに変化させることが可能です。
- 代表的なモデル:
- β-VAE: 潜在空間の制約を調整することで、より意味のある潜在表現を獲得し、生成される画像の品質を向上させます。
3. Diffusion Model (拡散モデル)
- 特徴:
- ノイズ(ランダムなパターン)から徐々に画像を生成していくという、他のモデルとは異なるアプローチを取ります。
- 学習段階では、画像に徐々にノイズを加えていき、そのノイズを取り除く(逆拡散)プロセスを学習します。
- 生成段階では、ランダムなノイズから学習した逆拡散プロセスを適用することで、高品質で多様な画像を生成できます。
- 非常に高品質でリアルな画像を生成できることで近年注目を集めており、特に高解像度画像の生成において優れた性能を発揮します。
- 学習や生成に時間がかかる傾向があります。
- 代表的なモデル:
- DDPM (Denoising Diffusion Probabilistic Models): 拡散モデルの基礎となるモデルの一つです。
- Stable Diffusion: DDPMを効率化し、より少ない計算資源で高速に高品質な画像を生成できるように改良されました。テキストから画像を生成するText-to-Imageモデルとして広く利用されています。
- DALL-E 2, Imagen: 大規模なテキストと画像のペアデータで学習され、テキストの記述に基づいて非常に複雑で想像力豊かな画像を生成することができます。
4. Transformerベースの画像生成モデル
- 特徴:
- 自然言語処理で高い性能を発揮しているTransformerのアーキテクチャを画像生成に応用したモデルです。
- 画像をパッチ(小さな領域)に分割し、それらをシーケンスとして扱うことで、画像全体の構造や要素間の関係性を学習します。
- テキストからの画像生成(Text-to-Image)において、文脈を理解し、より自然で意味のある画像を生成する能力が期待されています。
- 代表的なモデル:
- ViT (Vision Transformer) をベースとした生成モデル: 画像の潜在表現をTransformerで学習し、デコーダーで画像を生成します。
- ImageBART: テキストと画像を組み合わせた学習を行い、テキストから画像を生成するタスクなどで利用されます。
モデル選択のポイント:
- 生成したい画像の品質: 高品質な画像を求める場合は、Diffusion ModelやGANが有力な候補となります。
- 生成速度: リアルタイムに近い生成速度が求められる場合は、モデルの効率性も考慮する必要があります。
- 多様性: 様々なバリエーションの画像を生成したい場合は、GANなどが適している可能性があります。
- テキストからの生成能力: テキストの指示に基づいて画像を生成したい場合は、Diffusion ModelやTransformerベースのモデルが適しています。
- 計算リソース: モデルによって学習や生成に必要な計算資源が大きく異なります。
画像生成AIは急速に進化しており、今後も様々な新しいモデルや技術が登場することが予想されます。それぞれの特徴を理解し、目的に合ったモデルを選択することが重要です。


