私がアメリカに赴任して一年半ほど経ち、私が31才になる年の4月のことです。同性しか好きになれない私は、約一年前にアレックスという年下の青年と知り合い、お付き合いし始めることができました。そのキッカケになったのが一緒にコスプレして行ったアニフェスでした。


アレックスとその思い出を話していたら、今年も行こう、という話になりました。私達が付き合って9ヶ月ほど経っていて、家も割と近いため頻繁に会ったりお泊りする仲でしたので、率直にいろいろなことも話せるようになっていました。


昨年同様にコスプレしていく?と聞いたら、もちろん、とアレックスは答えました。しかも、僕も女装してみたい、と。


ちょっと驚きましたが、ゲイバーに行きたがるなど、彼がその世界にどんどん深く踏み込もうとしているのは感じていたので、女装してみたい、というのも自然の流れだったような気がしました。


またキュートな顔立ちの彼にメイクさせたらどうなるのかしら、と私も興味が沸いたので、アニフェスに向けて、私の家でメイクしてみる?と聞いてみました。彼は目を輝かせて頷きました。


早速我が家にアレックスを連れてきて私のメイク道具で化粧してみました。肌が褐色なので、なかなか色調が合いません…ただ、彼の顔はもともと女性っぽく可愛いので、ツケマ付けてアイシャドウ引くだけでいきなり美人さんになりました。長めのウィッグを装着させ鏡で自分の姿を見せたところ、彼はワンダフル!と喜びました。


あとで振り返ると、結局、これが彼の新たな人生の始まりになってしまったようです。男性としての彼が好きだった私でしたが、その後、彼が女装を楽しむようになり、関係が友達っぽく変わっていきました。


ルイスを呼んで3人で会った時にアレックスの別な一面をすでに見ていたので、理解しつつありました。一方、私はルイスのような逞しい男性にも惹かれるようになっていたので、私の中にもこの状況は意外とすんなり入ってきました…