アメリカの会社の現地スタッフが開いたホームパーティで、アレックスというメキシコ系移民の青年と知り合いました。


アレックスは高校時代好きだったTくんに雰囲気が似ていて、しかも日本アニメや日本食が好きとのことで親近感を持ち、パーティで連絡先を交換しました。


大好きだったYさんと離れてアメリカでの1人暮らしが続き、寂しさも極限に近かったので、連絡先を交換してしまった部分もあるのですが、一方で、怪しい人かもしれないので、警戒は怠らないようにしようと思っていました。


なので、連絡先を交換して音沙汰がなくても良いかな、くらいの気持ちでしたが、パーティから数日後に、(英語で) 今度、日本人がやっている寿司レストランに行ってみたいけど、一緒に行きませんか?というメールが着ました。一人では入りづらいので、私に案内してほしい、ということでした。


私はちょっと悩みましたが、週末ゲームやネットで寂しさを紛らわすだけの生活からそろそろ脱却したいと思っていたので、一緒に行ってみようかな、と思いました。自分の車で行って、危ない雰囲気を感じたら逃げ帰れば良いし…


4月初めの週末に会う約束をしました。当日、私は半袖ポロシャツにウインドブレーカーを羽織り、下はジーンズと革靴という男性スタイルで行きました。アレックスは肌は褐色、私より背が少し高くキュート系の顔立ち、ちょい長めの黒髪です。その日は服装を黒系でビシっと決めてきた感じで、彼が車から出てきた時、正直かなりカッコ良かったので、一瞬目を奪われてしまいましたが、何事もなかったかのように挨拶して、そのレストランに一緒に入りました。


レストランでは、私が寿司を注文し彼にネタを説明する形で食べ始めました。アレックスは、美味しい美味しい!とバクバク食べました。また、アニメの話で盛り上がり、彼はガンダムやドラゴンボールなど熱く語りました。


食事が終わり、結構な支払い額になりましたが、年上の私が大目に払うのか、あるいは全部払わされるかも、と思っていたら、アレックスがカードで支払い、僕が誘ったんでここは払います、と私からのシェアを受け取りませんでした。日本人にタカってくるのでは、と少し身構えていた私は、拍子抜けし、逆にかなり感心しました。


その後、カフェでもう少し話しません?とアレックスが誘うので、それぞれの車2台連なって走り、ショッピングモールのカフェ店に移動しました。


そこで彼は、アニメエクスポというアニメフェスティバルは知ってます?と聞いてきました。私はその時まで知らなかったのですが、カリフォルニアの大きなアニメイベントのようです。私とそこに一緒に行きたい、と言ってきました。そこまでは全然OKだったんですが、その後の話が問題でした。


アニメのコスプレしてくる人も多いから、僕もコスプレして行ってみたいんだけど、トシ(私)もコスプレして一緒に行って欲しい、と。


えーっ?! マジなの?と思って、かなり驚いてしまったのですが、これが彼の今日の本題だったのね…とようやく理解しました。寿司も奢られてしまい、断りづらくて、私は受諾してしまいました。そしたら、歯並び良い白い歯を光らせながらアレックスが満面の笑みで頷いていました。


この子、マジ可愛いわ…と思ってしまい、その笑顔にキュンとなってしまいましたが、ガッカリさせちゃいけない、という使命感も湧いてきました。


フェスは7月にあるらしく、残り3か月くらいあります。私は今まで日本でたくさん女装経験がありましたけど、アメリカで女装外出したことないし、ましてアニコスは日本でも一度もしたことなく…


私が女装したり同性にしか興味がないことは彼には内緒ですが、とりあえずまだ時間があるので、どんなコスチュームにするか、時々食事したりカフェしたりしながら、一緒に考えることになりました。


続きはまた書きます…