最初は全然慣れなかったアメリカ生活でしたが、ハロウィン、サンクスギビング、クリスマスなどに開催された社内パーティに出たり、現地スタッフの家のホームパーティに呼ばれたりするうちに、知り合いが増え、少しずつ慣れていきました。


ただ、同性にしか興味を持てず、一緒に行くパートナーもいない独身の私には、ホームパーティに出た後は空しくなり、日本で付き合っていたYさんのことを思い出して、Yさんにメールを出したりすることがありました。Yさんはいつも優しく応じてくれて、元気を分けてくれました。


本当はクリスマス休暇に一時帰国してYさんに会いたかったのですが、会社からは帰国許可が出ず、Yさんはインフルエンザにかかって来てくれなかったので、1人寂しく悶々と一年目の年末年始を迎えたことは思い出します。


そんな感じで年を越し、春を迎えた3月くらいでしょうか。現地スタッフのホームパーティに招かれたので、日本人同僚数人とともに行きました。そのスタッフはメキシコ系の移民で、パーティに来ている方々もメキシコ人かメキシコからの移民ばかりでした。


その中に気になる彼がいました。パーティに来ていたほとんどの人が同じように見え、名前と顔を覚えるのに必死だったんですが、1人だけすぐに覚えてしまいました。彼の名はアレックス、年は私より5才若く、肌が褐色であることを除くと、高校時代好きだったTくんに結構似ていたからです。その現地スタッフさんの親類の子で、カリフォルニアの某大学を出て、うちの会社の系列とは別の日系企業で働いているとのことでした。


アレックスのことを横目で見ながらパーティの食べ物を食べていると、アレックスが近寄ってきて話しかけてきました。(本当は英語ですが日本語訳で)トシは日本人だよね?僕、日本のアニメが好きで、ガンダムとかドラゴンボールなど知ってるよ、と。トシはアニメ好きなの?って聞かれたので、うん、と答えました。


また、アレックスは日本食も好きらしく、私が持参したテリヤキチキンやすき焼きも美味しそうに食べて、これはトシが作ったの?、と聞いてきました。それはその通り、イエスです。

素晴らしい!今度作り方を教えて欲しい、と言われ、それもイエスなので、連絡先を交換し合いました。


今まで周りにいる外国人には全く興味が沸かなかった私ですが、アニメや和食好きのアレックスはもう少し知り合いになっても良いかな、と思いました。Yさんのことはずっと好きでしたが、外国での1人暮らしで、寂しさが極限に達していたところだったので…友達や話し相手くらいなら、と。


続きは次回に書きます…