「朝令暮改」と「優柔不断」はまったく違います。
「優柔不断」で何も決められない、もしくは決めるリスクを負いたくない人が、
「今の時代はスピードが速いのだから『朝令暮改』は正しい。」と
言うことがありますが、その使い方はおかしいですね。
「朝礼暮改」というのは、一旦決めたことを、またすぐに変えてしまうこと。
「優柔不断」というのは、決めることそのものが鈍いことです。
ちなみに、テントでもいいから泊る、と、高くてもいいから宿をとる、と迷っている
のは私です(笑)。
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ややこしいのは、自分では何も決めないで、他人や部下に実行させて
成功しても失敗しても、「俺の思った通りだ。」という類の評論をして、
さも分かっていた風を装うリーダーです。
一気に見抜かれて他人からの信頼を失いますが、そんなこと誰も面と向かって
言いませんから、本人気づきません(笑)。
裸の王様というヤツですね(苦笑)。
「走りながら、歩け。」というような、普通じゃありえんだろうと思えることが、
実は、ビジネスの現場ではよく起きます。
例えば、「売上を上げろ。でも利益率は落とすな。」というような場合です。
部下は、「走りながら、歩け。」と言われると、大体二つのパターンに分かれます。
一つ目は、走っているか歩いているかよく分からないような進み方をする。
二つ目は、゛どちらもやらずに止まってしまう。
です。
要するに、何も変わらない最悪の指示となるわけです。
「売上を上げろ。でも利益率は落とすな。」と指示を出すトップは、一見あたかも
理屈を分かった指示を出しているように見えますが、私から言わせれば、この指示は
「優柔不断」の代表例です。
今の時代、既存事業で、売上も利益率もどちらも一気に上げに行くというのは、
不可能ではないにせよ、至難の技です。
できれば、誰も苦労はしていないのです。
「経営というのは、売上を上げて、利益率を高くして、コストを下げれば、必ず
利益は出る。」
という自明の理であって、経営トップやリーダーがわざわざ語ることでもありません。
部下が売上を無理してでも取りに行って、利益率に負担がかかると、
結果が出てから「それでは意味がないじゃないか。」と言い、
逆に利益率をキープしていても、売上が伸びていないと、
結果が出てから「何もしていないじゃないか。」と言う。
後になってから、反対側のリスクをとやかく言うリーダーがいると、リスクを背負って
動いた部下は一気にモティベーションを下げていきます。
それを見て、「どうしてウチのメンバーはヤル気がないんだ。」と嘆く愚かな人は、
現実としてリーダー側に結構多いのです。
決めないリーダーというのは、後になってから何とでも言えるというメリットを得る代わりに
信頼を失うというリスクを同時に背負っているのです。
「朝礼暮改」というのは、今の時代は私もアリだと思います。
情報量もとんでもなく多くなり、情報スピードも恐ろしく速くなり、
あげく人の価値観がここまで様々な時代というのは、
たった一つの正解など分かろうはずがありません。
よって、今、この時点では、こう意思決定する。
しかし、次に別の事態になったら、一気に変える意思決定をする、というのは
アリだということです。
「朝令暮改」というのは、
「売上を徹底して上げに行け。利益率は5%ダウンまで目をつむるから思い切って行け。」
と一旦決めることであり、その明確な指示を出すことができる人です。
結果、行き過ぎて、利益率が落ちたなら、その時点から
「ここからは利益率を上げに行く。売上は何とかキープができれば無理に伸ばさなくていい。」
と、ハッキリと言える人に対して評される言葉です。
この時代、「朝礼暮改」は、肯定的に使われることが多く、
前記した「優柔不断」は、もちろんダメな奴という印象で使われます。
ただ、どっちにしても、リーダーという立場なら、どういう手を打っても、
批判や批評はつきものです。
あちらを取ればこちらが立たず、というのは当然のように起こります。
リーダーなら、自分の決めたことに対して、いろいろと批判を受けるのは当然です。
それがイヤならリーダーを降りればいいだけのことです。
ちなみに私は、そういうのが面倒くさかったから、某組織のリーダーを降りました(苦笑)。
私は、子供の頃から、学級委員はじめ、リーダーという立場を何故か数多く経験
してきましたが、ここにきてようやく自分はリーダーには向いていないと自覚している
という訳です(笑)。
だって、リーダーもやったことのない無責任な立ち位置をキープしているような奴に
とやかく批判されると、私はそいつがアホにしか思えなくて、そんなんと一緒に進んでいく
ことそのものがアホらしいと思うタイプですから(苦笑)。
そんなことを心底思ってしまう私は、リーダーには向いていませんよね(笑)。
気付くのが、ええ加減遅いっつーの(笑)。
一人で進んでいれば、「朝令暮改」だろうと「優柔不断」だろうと、どっちでもかまいません
からね。
場面や事態に応じて、どっちもあるのでしょうから。
ただ、今、自分の心の状態は、どっちなのかということは認識しながら進んでいきたい
と思っています。
自らの客観視が大事。
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