北白川の散歩道
銀閣寺の前を流れる疎水に沿って歩き、北へ曲がった。この辺り、北白川の地名。
小道は疎水の横を静かに延びる。誰もいない。秋の夕陽だけが前方を蔽う。ここは段丘になっているのか、小高いところにある。右側は屋敷で、左側は京大農学部のグランドが下の方に見える。隅の方で学生がサッカーの練習をしている。
夕方の冷える中を一人歩くと、もう一人の自分が後先について来るように感じる。足音が一人分多く聞こえる。
太陽がさらに低くなって、葉裏を照らしはじめた。流れの水音が高くなり、ひんやりした風が前からきた。
鱒は樹間で夕日と戯れている。

