帰国して施設にて待機の6日間、それは旅行という楽しみを享受したものにとって、半分申し訳なく感じ、半分大いなる矛盾を感じる時間となる。
ロンドンに旅する間、日本においては、感染者が増え続けているが、それを受け、逆に濃厚接触者や感染者の待機期間は短縮。これに付随して、帰国者の自主隔離を含めた出発当初の待機期間10日間が7日間に短縮という朗報が飛び込んでくる。そうなると三連休は自主隔離から解放される計算。その辺り、やはり持ってるなと自画自賛。
ところが、同時に南アフリカなどオミクロン株が支配的とされるアフリカ諸国から帰国の場合の施設待機期間10日間が、6日間に短縮となったにも関わらず、英国、フランス、イタリア、アメリカの一部都市などから帰国した場合の施設での待機は6日間のまま。
羽田空港到着の際に配られた、待機に関する説明書の記載も10日間待機のまま。検疫所も度重なる変更に追いついていない。自主隔離による待機のみで済む国々や、施設待機3日間という国もある中、日本自体がオミクロン株が支配的となっている国に該当するにも関わらず、何故幾多の検査を繰り返して陰性を確認している人々をホテルの部屋から一歩も出さず、6日間も待機させるのか理解に苦しむ。
ぼくの場合、1月29日に日本を出国、英国入りした直後に抗原検査を受けて陰性、更に1月31日の午前中に帰国のためのPCR検査を受け陰性、2月2日の出国前に念のために受けた抗原検査、そして2月3日に羽田空港到着時に受けた抗原検査ともに陰性、更に今朝のPCR検査においても陰性を確認。つまり、陰性であるという確認を、すでに1月30日、31日、2月2日、3日、6日の5回行ったことになる。
英国 Day 2 Test 陰性結果
英国出国前72時間以降のPCR検査 陰性証明書
英国出国日 自主抗原検査 陰性
羽田空港到着後の抗原検査結果 陰性
更にこのホテルを出る6日の朝にPCR検査を受け、陰性とわかれば、その日の夕方に羽田空港に移動して解散、その後は公共交通機関を使用せず帰宅。翌7日の23:59まで自宅で待機となる。
待機期間中は隔離されているから、逆に外界のオミクロンに感染する可能性はゼロという点で、こちらの安全は担保されているが、今家我々のような帰国者が市中で感染を広げる可能性は、極めて低いので、現時点の日本の感染状況を考えると、どう見てもこの待機期間は矛盾しているとしか思えない。
当初は、海外でオミクロンの感染が始まったことに対策するべく水際対策を一気に強化して鎖国。まず日本におけるオミクロン株による感染拡大を何とか阻止しようとした首相判断が、間違っていたとは言わない。
しかしながら、ここに至っては、帰国する日本人のみならず、様々な事情があり、日本への入国を希望している外国人、また日本に来ることを心待ちにしている留学生や技能実習生に対しては、2月末といわず、一日も早く門戸を開くべきであり、意味のない隔離期間を設けるようなことがあってはならない。
なぜなら、海外から入国する彼らにとっての方が、日本の今の感染状況は恐ろしいのだから。
現行の水際対策に関して、予め定めた2月末という期限にこだわることなく、理にかなった方法で鎖国を解くことを早急に考えるべき時期に来ているということを、今回日本を離れてみて、強く感じる。
また、感染者数の発表に関して、もちろん注意喚起の意味もあるとは思うが、人々を不安に陥れるTVメディアの格好のネタとして取り扱われている気がしてならない。
ウイルスの正体や変異、ワクチンの有効性や危険性の議論も、結局のところ人知を超えたこと。氾濫する情報に惑わされることなく、自ら判断して行動するしかないのではと思う。
この章は、社会派ライターと化して国に対する批判になってしまったが、とにかく今は、このホテルから出てから感染しないことを祈るばかり🙏
以上 第五章 「矛盾 」(理にかなわない水際対策)
次章につづく