幾田りらは、ここ数年で大きく成長するだろう。
今まさに、サナギから蝶に生まれ変わろうとしている、メタモルフォーゼの前夜にいる。
ミドル・ティーンで通過する、将来の不安や、友人仲間強いては社会への疑問・不満。
多くのアーティストは、その葛藤をフラストレーションに換え、空や地面に吐き捨てる。
あえて悩まず考えず、自然体で、今だけの時間を楽しもうと言うアーティストも多い。
幾田りらは違う。
彼女は全ての悩みを正面から受け止めた。
自分の中に取り込み、消化し、そして答えを出した。
『Rerise』。
“起き上がる”とタイトルされたEPに、ストレートにその心境が歌われている。
強い…そう思う。
優しい瞳からは想像できない強さを持っている。
これが『今の』幾田りらの魅力だ。
では『次の』幾田りらは何を歌う?
楽しみで仕方がない。
18歳になったばかりの幾田りらは、おそらくここ数年で大きく変化する。
一般的だが、高校生の制服を脱いだ段階や、20歳の誕生日で確実に変化があるだろう。
幾田りらは数ヶ月先、数年先、どのような音楽を奏でるのか…もっとも楽しみなアーティストだ。