筆者・渡辺正次郎(作家・政治ジャーナリスト)。音楽専門誌の編集長の傍ら、藤圭子など多くの歌手を発掘。その後、政界に転身。二・二六事件の時に岡田啓介首相を救出、また、わが国の戦争終結に尽力した故・
迫水久常
参
議院議員の秘書などを務める。現在は作家・政治ジャーナリストとして執筆の傍ら、政治家のブレーン、選挙参謀として活躍中。『この国の恥ずかしい人々』、
『田中角栄の遺したもの』、『こんな政治家は辞職せよ!』(以上、日本文芸社)など著書多数。なお、この4月12日よりHP=「
NEWS TODAY・政界、財界、官界一刀両断!!」
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初対面の翌日、自宅のドアを開けると瀬川美恵子一人が立っていた

母娘で私の事務所に初めて顔を出し、デビューを頼んだ翌日、昼を過ぎた頃、玄関のチャイムが鳴った。
「どなた?」
「瀬川美恵子(ちあみなおみ=写真)です」
何だろう、昨日の今日だ。忘れ物をしたのか? いや、何もなかったはずだ。
「おう。どうしたんだ。入れ」
若い女の子1人だが、まさかドアも開けないで追い返すわけにいかない。
「昨日は本当にありがとうございました」
後ろを見せてデスクに向かう私の背中に、美恵子がお礼の言葉を掛けてきた。
「そんなことはいいから・・今日はどうしたんだ?」
「はい・・」
美恵子をデスクの隣のソファに掛けさせ、尋ねた。
「いえ・・」
美恵子は何も言葉にしない。
「じゃ、テレビでも見ていろ」
私は美恵子を相手にしないで“ヒット予想”の記事の続きに入った。
オリコンを辞めても『ヒット予想』のページだけは私でないと書けなかったから、小池総行からどうしてもと、辞める条件のように頼まれていたのだ。
確かに発売前のレコードのヒットを予想する直感力は勉強してできるものではない。これだけは私の持って生まれた霊的直感で誰も真似はできない。
しかもその予想の的中率が99.9%だったからこそレコード店は、レコード会社の営業部員の口先で仕入れさせられていたシステムを、私のヒット予想ページで仕入れするというシステムに根本から変えたのだ。だから、オリコンは注目され怖がられる大きな存在になった。
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