１月１６日に外来に行く事になったのは、胆管炎があまり回復していないからだ。なので、この日の血液検査の結果次第では緊急入院もあり得るという予測からだ。実際にこの日まで日に２回熱が出たので、寝たきりに近い自宅療養生活だった。退院時はバス便が当分無く、タクシーで帰宅した為、外を歩くのは１０日ぶりだ。

１５時からの予約だが、診察前の血液検査が混んでいた経験から１４時には待合室に着いてしまった。寄りかかれる席は少なく、混んでいたが、ラスイチを確保出来た。胆管が腫れているので浅めにしか座れ無い。

１６時１０分、ウエストボタンを外し、ジッパーまで降ろしてシャツと上着で隠しても座る事自体がお腹を押すので、耐えられずに空いていた廊下の長椅子に移動して寝転んだ。余り個室から出ない看護師達に次々と声をかけられた。

１６時４０分にようやく診察して貰えた。血液検査の結果は何時もと同じくらいだったので、予定通り金曜日からの入院になった。熱が出る時間帯を病院で過ごしたが、帰って直ぐに計ったら、熱はなかったので、看護師に計って貰わなくて良かった。そこまでやって熱がないと恥ずかしい。自分の体の兆候の見当が付くようになって来たのは良い事だ。

その日も熱は出たが、１回で済んだので、翌日朝に開店時間に合わせて、約３ヶ月ぶりに坊主頭にカットして貰った。直後にスーパーの食品を買ったが、１周半して、時間も１時間半近くかかった。

この所、妻に買って来て欲しいと頼んだ物と違う物を買って来るので、チョットした口論の原因になっていた。それ迄外に出られない日が続いた事が無かったので、僕の売り場の記憶が曖昧だった。なので、今回は欲しい物はきっちりメモしながら売り場の記憶を焼き付けた。

自分で動けないので、妻に料理をお願いするようになった。危ないので出来るだけカット済みの材料を使うようにした。ネットのレシピどうりに作るが、味付けは違う。一般受けするような味ならば作る意味がない。味覚障害だから作るのだ。

概ね食品は、最初に僕が味見して、食べられた場合のみ僕が食べる。殆どそれ以外になってしまうが、それらは大抵妻が食べる。なので、作る場合は、少なめにしないと捨てる事になる。但し、成功すると僕にとって日本一美味い料理になる。

味覚障害で塩気が少なく、かなり甘く、脂気が少なくなくてはならない。妻の作る煮物は特に美味しいが、多分殆どの人にとってはマズイ部類に入る味だ。卵掛けご飯、ととろご飯、素うどんのローテーションにオカズが付いたのは大きい。自家製おでんは主食兼用になった。

悪い事ばかりじゃあないよ、世の中は。

寝転んでしまった。