茜色に染まる道に、砂利を擦る音が響く。

まだ慣れない着物の裾捌きを気にしてというのもあるけれど
それよりも今は、身体の怠さがむっちの足を重くしていた。


着付け教室に向かった時に比べれば
焼けるような陽射しは緩んだけれど
夕刻に満ちる蒸した空気が
じわりと体力を奪っていく。


滲んだ汗に小さく息をはき出せば
思いの外熱を含んでいた。


(あー・・・マズイなぁ・・・)


少し前に喉の渇きを覚えたけれど
あと少しで家に着くからと我慢してしまったのを後悔する。


それでもなんとか重い足を進めていると、くらりと眩暈が襲ってきた。

咄嗟に傍の石柱に手をついて、よろけた身体を支えたけれど
もう、これ以上はとても歩けそうにはなかった。


(少し・・・休憩しよう)


むっちは石柱の影に回り込むと、ヒヤリと冷たい石肌に背を預けた。


折り重なる青葉に守られたその場所は
先程まで歩いていた道とは別世界のように
胸が軽くなる、澄んだ空気に満ちていた。


帰り道にこんな場所、あったかな?そんな疑問が浮かんだけれど
まとわる暑さが和いで、少し気持ちが落ち着くと
自然と瞼がおりてくる。


頭の片隅では目を開けなくちゃと思うのに
身体は水に浸ったように、どんどん重く沈んでいく。


ざぁっと風が吹き抜けて
微かに残った抵抗も万緑の香りが散らしてしまう。


夢と現の境目で
せせらぎが子守唄のように流れてくる。


風の清に髪を遊ばせ
まどろみに意識をゆだねていると
どこか懐かしい
泣きたくなるような香りがむっちを包んだ。


「むっちはん・・・」


(この声・・・)


心地良く響く低音に胸が震えた。

この声の主を、自分は知っている。


でも、まさか・・・


『彼』の顔を思い浮かべようとしたけれど
熱中症のぼやけた頭は動いてくれず
媚薬のように流れ込むほろ苦い香りが
むっちを深い眠りに連れ去ってしまった。





「んっ・・・」


薄っすらと目を開けると、暗闇に見慣れない天井が浮かび上がる。


どうやらすっかり眠ってしまったようで
あたりは夜の闇に包まれていた。


いつの間に布団で寝たんだろう。
まだ霞がかった頭でぼんやりしていると
ふと、視界の隅に灯りを感じた。


僅かに顔を動かすと
開け放たれた障子の向こうに

幻想的な光景が広がっていた。








まだ夢の中にいるのだろうか。

この場所には見覚えがあった。


あまりの美しさと、そこに居ることへの混乱で
息を飲んだままでいると
傍らで衣擦れの音がした。


「気が付かはりましたか」


心臓が跳ね上がり

まさか。と思いながらも鼓動がはやまるのを止められない。


そろりと反対側へ視線を向けると
傍に着物姿の男性が座っていた。


部屋の暗さに目が慣れず
ゆるく胡坐をかいた朧げな輪郭しか見えないけれど
時折頬を撫でる優しい風はその人が扇いでくれているものだった。


何か言おうと口を開いたけれど
乾いた喉に言葉が張り付いて
ひゅっと小さな風音しか出てこなかった。


「起きられますか?」


慌てて身体を起こそうとすると
背に大きな手が添えられて
腕に抱きこむような形で支えられた。


あの香りが濃くなって
彼にもたれるような体勢に
かぁっと体温が上がっていく。


湯呑を差し出され受け取ろうと手を伸ばすけれど

持ち上げた手はやんわり包まれ
彼の指に繋がれてしまう。


恥ずかしさに耳まで赤くしながら
彼の顔を見上げかけて
あまりの近さにびくりと肩が跳ねた。


急いで視線を逸らしたけれど

上品なのに、どこか色気を含んだ口元が目に焼き付いて
胸のドキドキがおさまらない。


湯呑を傾けられ、されるがままに唇を寄せると
とろりと甘い液体が舌の上を滑っていった。


「ありがとう、ございます…」


壊れそうな心臓を持て余して
そう言うのが精いっぱいだった。


何か言ってくれればいいのに。
彼は繋いだままの指先を
愛おしそうに撫でるだけだった。


辺りを包む夏虫の合唱

風に混じる甘苦い香り
背に感じる彼のぬくもり


全てがリアルに感じられて
頭は混乱するばかり。


彼を確かめたくて
聞きたいことは山ほどあるのに。

聞いてしまったら、この時間が消えてしまうような気がした。


沈黙の中に、すーっと一匹の蛍が迷いこみ
暗闇だった部屋に光をもたらす。


ふわり、ふわりと気まぐれな光は
だんだんとこちらに近づいてくる。


蛍を目で追いながら
鼓動の音が耳にうるさい。


朧げな灯りに
彼の顔が照らされる。


大好きな彼が、そこにいた。


息を飲む私に優しく微笑んで。


これは、夏の夜の夢?



***************************************


出遅れましたが、むっちさんお誕生日おめでとうございます♡

7月頭はけっこう暑いイメージだったのですが

なんか最近寒い日もあるぐらいでw

ちょっと季節感を先取りしすぎたようです(^_^;)


そしてむっちさんが書かれた小咄と『蛍』がちょっと被ってしまったり

お祝いにしては暗かったりなのですが

気持ちだけはぎゅっと詰め込んだので受け取っていただけると嬉しいです!


最近なかなか顔を出せませんが

時間ができたらまた絡ませてくださいヾ(*´▽`*)ノ


むっちさんの一年が充実した素敵な年でありますように☆

お誕生日おめでとうございます(≧ω≦)






茶衣さんが描かれた妖精な旦那さま方が可愛くて

色塗りさせていただきましたー(*´▽`*)

元ネタはこちら↓

  
《お絵描きしてみる》花の妖精旦那さま



魔法、かけてほしいです( *´艸`*)


練習のためになるべくいつもと違う塗り方に…

と思うんだけど、縮小すると結局同じという罠w


でも他の人の絵を塗るの久しぶりで楽しかった♪

茶衣さん、線画お貸しいただきありがとうございました(≧ω≦)

たいへんご無沙汰しております| 壁 |д・)コソッ

いやー。気がついたらもう6月とか?

私としては、まだ5月気分なんだけどw

最近忙しくて予定崩れまくりで

あっという間に1日が終わっていくんだけど

もう少し時間の使い方を考えないとですね。うん。


春の京都レポも書き途中なのですが(まだ書く気!?)

こっちのが重要なので今更ですが葵祭のことをー(*´▽`*)


京都のイベント予定を見ていたら

なんと葵祭りが私のお休みの日に開催される!


これは是非とも行きたいー(≧▽≦)

って事で、まだ知り合ったばかりだったむっちさんを巻き込んで

いざ葵祭に行ってきました ♪


葵祭は行列を見物するタイプのお祭りなのですが

見物する場所はどこにしましょうかー?ってなった時

優しいむっちさんのお言葉に甘えて

下鴨神社にさせていただきました♪

(写真オタなので背景重視)



当日、糺の森で待ち合わせ。

広いから会えるか心配だったけど

すぐにむっちさんを発見!!


だって、あんなに素敵な着物美人さんを

見逃すはずがないっ(/ω\*)


そう!むっちさんは着物で来てくれたんです!!

俊太郎さまより先に私が見ちゃっていいのかな!?(/ω\*)


ブログから受ける印象そのまま

おしとやかで可愛らしい雰囲気で気遣いもできて

素敵女子すぎるむっちさん(/ω\*)

ガサツな私は是非とも見習わなければw


早めの待ち合わせだったので

行列が来るまでは艶がトーク♪

誘っておきながら口下手な私w←

でもむっちさんが気さくにお話してくれて

とっても楽しい時間を過ごせました♡


旧データが移行されてたら是非おススメの

俊太郎さまイベを見てもらいたかったんだけど

それが無くても艶Pのお話とかをしてたら

待ち時間はあっと言う間でした(*´▽`*)


行列の説明なんかは

むっちさんが詳しく書いてくださっているので

リンクを貼らせていただきます♪


艶友さんと葵祭


アナウンスがあってから、いよいよ行列がやってきました♪

この衣装を見てると

艶がの葵祭イベを思い出します(´▽`)

旦那さまにはどの衣装が似合うかなぁって

この行列を見てたら思わず妄想しちゃいますよね( *´艸`*)



事前予習全然してなくて

さいしょ、この牛車に斎王代が乗ってるのかと思った(;^_^A



子供さんも参加されていて

ちっさい子達がめっちゃ可愛かったです(*´▽`*)

(あ。画像消去されてる;)


斎王代さんとっても綺麗でした~!!

美人さん♪


他にも数人女性の方が。

女の人が居ると華があっていいですね( *´艸`*)


この衣装の模様が可愛くて

思わず連射↓





葵御門を見つけてテンション↑( *´艸`*)



葵祭は江戸のわいわいするお祭りとは全然違い

さすが京都だわ~(´▽`)と思うような厳かな雰囲気で

とっても見ごたえがありました!

機会があればまた見たいな♪


午後は京都観光へ!!

つづく!!

イベントガチャ(全16種類)

初回150コイン

その後300コイン

全アイテム出した場合4650コイン



応援セット

2キャラキーアバター

イベあられ×3=108

イベ袋××4=600

このセットで上げられる好感度(12点計算)708点



攻略

イベ期間19日間。

無課金で上げられる好感度

(19日間×1日3回×最低12点=684点)



試練突破最終は450まで上げる必要がある

(一幕前編後90→一幕後編後180→二幕前編後250

→二幕後編後エンディング分岐→三幕前編後450)

各キャラ攻略後は好感度はリセットされ一幕から再開。



全キャラ攻略に必要な好感度450×8=3,600点

3,600-無課金好感度684=2,916点


応援セットアイテム使用

708×4=2,832

2,916-2,832=84


84点分追加アイテムが必要

(アイテムは最初は香り袋使って

三幕からはあられで18点出せば

アイテム追加なしで行ける?)

全キャラコンプ

応援セット2,000×4=8,000円+好感度84点分アイテム


アイテムは最初は香り袋使って

三幕からはあられで18点出せば

アイテム追加なしで行ける?


☆逢引☆

全キャラ共通で

甘味屋(お菓子の話)・呉服屋(簪や着物の話)12点

お参り(神社の話)16点

それ以外18点

18点は三幕?からじゃないと出ません


・沖田さん

自分の手で簪を飾りたい~(12点)

甘味屋(12点)

お参り(16点)



・土方さん

簪を貢ぐ(12点)

甘味屋(12点)

神社で句をひねる(16点)

お散歩(18点)

手を繋ぐ(18点)
俺だけじゃ不満か?(18点)



・翔太くん

甘味屋さんへ(12点)

どっちの色がいいと思う?(12点)

神社(16点)

傷の手当(18点)

手を繋ぐ(18点)

髪型(18点)



・慶喜さん

慶喜さんに似合う着物は~(12点)

お土産(12点)

神頼みを信じる?(16点)

日和坊主(18点)

手を繋ぐ(18点)
雨宿り(18点)



・秋斉さん

甘味屋(12点)

呉服屋(12点)

お参り(16点)

扇子が似合う(18点)

掃除中居眠り(18点)

手を繋ぐ(18点)



・高杉さん

着物を買ってやろう(12点)

団子を口移しで食べさせてやる~(12点)

祇園も花街どうたら(16点)

手を繋ぐ(18点)

口数が少ない(18点)

猫と遊ぶ(18点)



・龍馬さん

甘味屋(12点)

着物が似合ってる(12点)

お参りをする(16点)



・俊太郎さま

呉服屋さんへ(12点)

甘味屋(12点)

お参り(16点)

お菓子を贈る(18点)

悩み事(18点)

手に触れる(18点)

まりさんファンの皆様

大変お待たせいたしました壁|ω・)チラ


え?私の話は待ってない?

そうでしょうそうでしょう!


でも僭越ながらリレーに誘っていただいたので

私が書かないとまりしゃんの続きが

読めないんですよー・゚・(ノ∀`)・゚・


ストーリーはすぐに浮かんでたんですが

スマホでお話し書くってことがどうも慣れなくて

でも最近PC開く時間もなかなか取れずで

こんなにのびのびになってしまいました(/ω\;)スミマセ


ああ。

早く美味しいシーンのあんなのやこんなの書きたい!!

ね、まりさん♡( 〃艸〃)


お話を忘れてしまった&知らない皆様はこちらへヾ(*´▽`*)ノ


【リレー】幕末居酒屋①



************************************



『ごめん、今日行けなくなった(>人<;)』


「………ええーーっ!嘘でしょ!?」


取り落としそうになったスマホを握り直して
思わず画面を凝視する。


何かの見間違えじゃないかと思いたいけれど
やっぱり画面には『行けない』の文字が表示されていた。


途方に暮れるとは正に今の状態の事を言うんだろう。


(うわ~もうお店に入っちゃってるのに
今更いいですとか…気まずすぎるよ…!!)


知らないお店で一人で飲む勇気なんて無い。


後ろからは先程の二人が何事かと首を傾げている気配がするし
この窮地をどうやって乗り切ろう・・・!!


上がり框で足を止めたまま、私は頭をフル回転させた。


(確かにさっきの店員は格好良かったし、あの流し目にはドキッとしたけど
イケメンすぎても緊張しちゃって飲むどころじゃ…って!!
そうじゃなくて!!)


一人乗りツッコミのようなことをして
勝手に顔を赤くしていると、ふっと目の前に影ができた。


「おや。どうやら連れが来られなくなってしまったようだね」


心地よく鼓膜をくすぐる低音に驚いて顔を上げると
思ったよりも近くで、くるりと綺麗な瞳と目が合った。


「…っ!!??」


色素の薄い髪をさらりと揺らして

マンガの世界から現れたような美男子に思わず呼吸を飲み込む。


「どうかなさったんですか?」


その後ろからまた別の声が聞こえ
長い髪をアップで結んだ青年が顔を出す。


「ああ。沖田くん。
この子の連れが来られなくなってしまったようなんだ」


「そうなんですか?それは残念ですね・・・。
随分早くからご予約を頂いていたから
おもてなしするのを楽しみにしていたんでかすが・・・」


(イケメンだと眉を下げた顔ですら格好イイんだなぁ)


ぼんやりそんな事を思いながら
私は青年に見惚れてしまう。


次から次へ現れるイケメンに鼓動は確実に早さを増して

言い訳を考えていたはずの頭は、ぼーっと動きを止めていた。


その様子を何か勘違いしたのか
沖田と呼ばれた青年がはっと焦ったように一歩前に出た。


「すみません。私ときたら無粋な事を・・・!
もちろん貴方が来て下さるのも心待ちにしていましたよ」


急に縮まった距離と
草食系な見た目に反してストレートな物言いに

かぁっと熱が上がっていく。


口をぱくぱくさせて
茹だりそうな私の顔を先程の美男子が覗き込んだ。


「大丈夫かい

?なんだか顔が赤いようだけれど・・・」


「・・・!!」


(わっ!!近っ・・・!!)


驚いて身を引いたため、ぐらりと身体が傾いた。


慌ててバランスを保とうとしたけれど、それより早く

とん。と肩が支えられる。


微に漂う涼しげな香りを追い、その手の主を見上げて
ドキっと鼓動が高鳴った。


「うちの店員がえらい不調法を・・・すんまへん」


肩から温もりが離れたことを『残念』なんて思ってしまいながら

中性的でどこか不思議な雰囲気のその人から目が離せなくなる。


バカみたいに固まったままそうしていると
その不思議な人は『おや?』と微かに瞳を見開いて。


それから薄い唇がからかうように弧を描くものだから
頭の中を見透かされたようでくらりと眩暈がした。


そんな私にくすりと吐息を零してから
深い色の瞳が別の方へと向けられる。


「慶喜はん。盗み見やなんて感心しまへんな」


「秋斉こそお客さんに色目使って・・・。
まぁ、見えてしまったとはいえ、はしたないことをしたな。
すまなかったね」


慶喜と呼ばれた人が頭を下げるのを見て
私は夢見心地からハッと我に返り
ぶんぶん大げさなぐらいに手を振った。


「だ、大丈夫です!それより友達が来られなくなってしまったので
申し訳ないですが今日はキャンセルして・・・」


ガシャン


急に響いた金属音にビクっと肩が跳ねる。


反射的に音の出どころに顔を向けると

先ほど「よう来たね!」と声をかけてくれた癖っ毛の男の人が

厨房で驚いた顔のまま動きを止めていた。


「おお!すまんすまん。
わしとしたことが、ちくと手元が滑ったぜよ」


あははと笑ってみせるその人は
先ほどと比べると明らかに元気がない。


「そうか、今日はもう帰るんじゃな・・・」


がっしりと男らしい身体つきが肩を落とす姿に
なんだかとても悪いことをしてしまった気分になる。


しょんぼりとしたその様子に
気がつけば声を上げていた。


「あ、あの!」


「ん?」


「えっと、あの・・・」


飛び出した言葉に自分でも驚いて
どうしようかと口ごもる。


さ迷わせた視線でチラリと癖っ毛の人を伺って
私は思いっきり後悔した。


(あー!もう!!なにそのギャップ萌えな
可愛い目!!そんなんの反則だよ!!)


「せっかくだから

少しお邪魔して行こう・・・かな?」


おずおずとそう言ってみると
曇っていた顔がぱぁっと輝いて
不意打ちの笑顔にキュンと胸が射抜かれる。


「・・・!!ほうか!!そりゃあ良かったぜよ!!
今日は新鮮な鰹が手に入ったき藁焼きをするんじゃ!!
待っちょれよ~!!」


「坂本くんのあの顔には勝てないよね」


上機嫌で腕まくりをするその人を坂本と呼んで
慶喜さんがクスッと笑う。


それから流れるような仕草で
そっと背を押された。


「改めて、いらっしゃい。
いつまでもこんなところに立たせて悪かったね。

席に案内するよ」


エスコートされるようにカウンター前を通り過ぎると
ロフト席に続く階段と、その下にある掘りごたつ席の間で
先に待機していた沖田さんがすっと手を差し出す。


「少し暗くて段差もありますから。
どうぞ」


普段なら躊躇うところだけれど
イケメン店員たちのペースにのまれた私は
顔を赤くしながら自分の手をそこに重ねた。


「あ、ありがとう・・・ございます・・・」


(このお店から出るまで、私の心臓持つのかな・・・?)


この後、更に刺激的なことが起こるなんて思いもせず
私は通された席ではぁぁと緊張の息を吐き出したのだった。




**********************************


まーりしゃん♪

刺激的なあの人のターンお願いします( 〃艸〃)