日曜日だけどスーツのDさん。

「すみません、段取りがわかってないもので・・」

お互いにそんな事を言いながら、とりあえずランチをしましょうかという事になり

適当に歩きながらお店を探しました。

私のテリトリー内だったので、知っているお店を案内しました。

D
「雰囲気の良いお店ですね。」

Dさんの対応はソツがありません。


「アドさん(アドバイザーの名前)のお知り合いの方でしょうか?てっきり会員様だと思っていました。」

D
「いえ、知り合いというわけでは・・・アドさんは大手結婚相談所を辞められて、御自分でNPO法人を立ち上げられたそうです。結婚相談所の。僕はそこの会員になります。」




初耳です。

非営利なので必要経費分ほどの出費しかしていないDさん。

金額で本気度合を測るわけではないけど、しかしそのNPOの存在さえ知らないのです。

どうしたものかと思いましたが、Dさんの紳士的な雰囲気に良からぬ疑いもなくなってきました。

現在に追いつくまで整理しようと回想していると

入会のきっかけとも言える出来事が

ちらちらと頭をよぎります。

一生一緒にいたかった人と別れた事。

その事をきちんと消化できてなくて

向き合う事も無理だし

時間がとまっているようだけど

現実はどんどん時間は過ぎていって

前に進むには

思い出全部無かった事にするしかなくて

頑張っているのだけど

辛い。

忘れたい。

解放されたい。
さっくりとCさんとの面談が終わり、アドバイザーからの連絡を待っていました。

まだかなまだかな・・・




会うとしたらこの土日になると思っていたのですが、しかし金曜になっても連絡がありません。

もしかしてボツになっちゃったのかな。

あ、どうしよう、婚活予定がなくなってしまった。


またも大きな不安が私を襲います。


今まで、そして今後何度も私を苦しめるこの“不安”。

何なんだよ。生物としての本能か?




耐えきれずアドバイザーに連絡してみます。


「とろです。あの、ごめんなさい、この前の件はどうなったのかなと思いまして・・・」


アドバイザー
「ん?何の事かしら?紹介?明日ホテルのロビーで待ち合わせでしょ。

あらっ!連絡してなかったかしら!ごめんなさいね~。」





アドバイザーは私に連絡したつもりでいたようです。

もし私が電話しなかったら土曜日すっぽかすかたちになってたのかな?

なんだかいい加減で少し心配になったのですが、

あの正気を保てなくなりそうな不安から解放されたので、良しとしました。

アドバイザーも好きだし。



土曜日。

まずはアドバイザーと会いました。

お相手はまだ来てないようです。

アドバイザー
「今日紹介するDさんは会員じゃないけど、とってもいい方なのよ!」



・・・・・・・???会員じゃない・・・・???


間もなくDさんがきました。


公務員

国立大卒

30代前半

年収400~?

身長は170くらいと聞いていたのですが、多分170もない。ヒールはいて来なくて良かった。

顔は、普通だからあまり期待しないでと事前に言われていたので、特に何とも思わなかった。




アドバイザー
「相談所の会員様のとろさん。こちらがDさん。とろさんたら、しばらく見ないうちにまたきれいになったんじゃないの?おほほ。
それでは、後は2人でお話してね!」


颯爽とどこかに行ってしまうアドバイザー。



会員じゃないのなら、このDさんはどこからわいてでてきたんだ・・・・?

あれれ?

「とりあえず歩きましょうか。」とDさん。


「あ、はい。」







こんな感じで出会ったDさん。

その後大失態をやらかし非常に苦難する事になるのですが、

反省も込めて回想していこうと思います。