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奇天烈に文字が書けなくなった
書かないじゃなく、書けない
書かなくても困りはしないけど、
思考まで止まるから困る
✳︎✳︎✳︎
友人に会いに行った。
ここまで貧弱な思考でも、正常を数時間、演じられるから驚く。
人は平気なふりの熟練者だ。バレてたりもするが。
平気なふりに頼って、嘘やホンネがわからなくなる。
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歪んで、混ざって、落っこちて、戻る。
対称に人はよく、惹かれる。私も。
右と左。
白と黒。
善悪
生と死。
なぜかって、美しいからだ、白と黒、ものの対比は。
なぜかって、ないからだ、完全な極性は。完璧なものがあってみろ、その途端、端っこから落っこちてしまうから。
対極はない。
究極はない。
ないけれど、ないゆえに、うつくしい。
美醜
賢愚
強弱
貧富
ないけれど、あるものが、うつくしい。
あるけれど、ないものが、分かればいい。
そう思う、ときどきと、ときどき。いつも思っていたまえ、そうしたら落っこちてしまうから裏側へ。
「ことばから<意味>というものが脱落したとき、そのときにはじめてわたしたちは<声>を聴く」
と、いうのは非常に良かった。
だから、意味不明な言葉が好きなんだと思った。声のほうが好きになることは誰だってある。特に、意味にあふれてるときは多分に。
意味が脱落した世界に棲む、声を私は聞いていたい、ときどき。
まるで死んでいたみたいだ、と思うことがある。
生きていることが珍しくみえて。
時どき、なんともない風景が、
死んでからもう再び見たように、新しく映ることが私にはある。
薄ぼんやりとひかりみたいに、帯びて映る、一コマ。
生きることは死に続けること、
死を飲み込み続けることだ。
だからこそ、こんなにも生きていることがもの珍しくみえるのだろうか。
細胞が死に絶えて、
新たな命を飲み込んで、
それから、
もう一度「今」がやってくる。
まるで魔法みたいだな、と思った。
生きている、なんてさ。