財務省理財局国債業務課「日本国債の金利の動きには、特殊なところがある」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

財務省理財局国債業務課「日本国債の金利の動きには、特殊なところがある」


 白河日銀総裁の「警告はオオカミ少年ではない」発言。
<財政悪化に警鐘を鳴らすと「オオカミ少年」のように受け取られるが、政府の支払い能力に対する信認は突如低下し長期金利が急騰する可能性がある、と強調した。
 日銀による国債の直接引き受けや、無原則な国債買い入れは、微妙なバランスに立つ通貨や金融システムの信認を低下させ、経済に計り知れない悪影響を与えるとの懸念を表明した。>(ロイター)
 ”長期金利が急騰する!?”
 ギリシャなどは、20パーセントまでも急騰しました。
 私は本日、財務省に電話。
「いくら国債が売られれば、急騰するんですか?」
 理財局国債業務課に聞きました。
 K氏とは昨年来久しぶりです。

鳥巣 日本国債の平均利回りは1・4パーセント。
それを超えたり、あるいは2パーセント。
五十嵐財務副大臣は、国会が何も決められなければ「2パーセントを瞬間的に超える可能性もある」と。
いくら国債が売られれば、1・4とか2パーセントになるのか?を知りたい。
直近の国債発行額は?
財務省 3月時点で758兆円です。
鳥巣 利回りは?
財務省 10年物国債で1・1パーセント。
鳥巣 では758兆円のうち、どれくらい市場で売れば金利が0・3~0・9上がるのか?
財務省 国債には300銘柄ある。
いろいろな年限があり、1コ1コの利回りを計算しなくてはいけないので、すぐには出ない。
金利が跳ねた時に債務額がどれくらい増えるか。
そういうシュミレーションなら国債企画のほうで行っている。
鳥巣 10年物国債の金利が2パーセントを超えたのは何時?
財務省 ここ10年で見ると、2006年の5月頃。
この時は、むしろ景気が上向く期待によって金利が上昇した。
鳥巣 ミニ・バブルとか言われましたね。
逆に10年ほど前、「もう駄目だろう」と霞が関では深刻な議論が行われたという。
財務省 10年前と言うと、IТバブルが崩壊し景気が悪かった頃。
それでも金利が2パーセントは超えていない。
今と同じ、1・1パーセントくらい。
そういう意味では、日本の長期金利の動きには特殊なところがあるのかもしれない。
鳥巣 大いにあるでしょうね。

最近つくづくと、この国の市場の特殊性を実感しています。
その特殊性が”国債バブル”を生んでいる。
いっぽう、
「暴落の危機」
と言われながらも、
(いや、案外しぶとい)
と思えるところでもあります。
その”秘密”をもう少し探ってみましょう。

鳥巣 日本国債の95パーセントを日本人が持っている。
日銀総裁は「長期金利が急騰する可能性」を示唆するけれど、いくらなんでも売らないでしょう。
どう考えても。
財務省 国内投資家が持っていて売らなければ金利も上がりません。
それが(市場として?)正しいかどうかは別としまして。
鳥巣 正しい。
暴落すれば、ほとんどの人は損する。
一部のハゲタカ・ヘッジファンドに儲けさせる必然性はない。
少し詰めて聞きたい。
誰が買ったかどこまで分かりますか?
一応、無記名ですよね。
財務省 無記名です。
日本銀行の口座に振り替えているので突き詰めれば分かる。
鳥巣 ええ、日銀の人も「やりようによっては分かる」と。
財務省 外国人はわからない。
「公表はしない」というのが正しいでしょう。
海外に口座を持っていたら、その後ろのとこに誰がいるかわからない。
鳥巣 今は姿は見えなくても、ある時点でハゲタカ・ヘッジファンドが大挙債券市場に参入してくるとします。
この動きは把握できますか?
財務省 動きはわかる。
保存率はわかる。
鳥巣 誰がうしろで動いているかは?
財務省 証券会社は把握している。
情報次第ということになります。
鳥巣 ”情報次第”。
わかりました。
安心しました(笑い)。

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