僕の同期が脳内出血を患った。
僕が公務員になった頃、一緒に仕事してたんだよなぁ。
あの頃は、自分たちにこんな日が来るとは思てもいなかった。
今日は、彼のお見舞いに行ってきた。
彼は回復期のリハビリ病院に入院してた。
彼は、発症後半年くらいだけど、まだ車椅子だった。
右半身も思うように動かなくて、まだ言葉を発せなかった。
左手のゼスチャーと、片言の発声で対応してくれた。
僕の場合、急性期から回復期までの記憶はない。
だけど、彼を見てて涙をこらえるのに必死だった。
幸い、一緒にお見舞いに来た同期とその頃の同僚が話をしててくれた。
まさか、回復期の彼を目の前にして、僕が涙を流せるわけないじゃないか。
だって、僕は、病気じゃないけど同じような脳損傷だったから・・・。
僕は、意識が回復したころ、自分が高次脳機能障害だって知らされた。
どんな障害か知ってたから物凄く死にたかった。
でも、死にたくても身体障害も負わされてたから、それすらできなかった。
子供も中3だったし、ローンもあったから死ぬわけにはいかなかったし・・・。
まぁ、ローンは僕が死ねば、保険で全部チャラになったんだけどね。
でも、あの頃の僕は、そんなことまで考えることはできなかった。
朝、目が覚めたら、自分が障害者になってた気持ち、理解できるかな?
だから、彼の気持ちは物凄くよくわかる気がした。
彼は、税金Gメンみたいなことをする部署にいた。
優しかった彼には、物凄くストレスがかかる仕事だったと思う。
そのストレスも、原因なんだと思う。
でも、僕らは公務員だから、仕事は選べないんだけどね。
僕は、県リハに入院してた頃、死ぬわけにはいかないんだってことに気付いた。
だから、一日でも早く復職するために死ぬほどリハビリを頑張った。
でも、僕の職場の連中は、僕に復職してほしくなかったらしい。
と言うのは、僕に濡れ衣を着せるような違法行為を、上司らがやらかしてたから・・・。
彼の職場では、こんなことはしていないと思う。
僕の職場みたいなブラックな職場は、他には無いだろうしね。
彼には、早く社会復帰したい気持ちは募るだろう。
でも、一日でも早く復職して欲しいなんて、僕は絶対に思わない。
だって、復職したって、それは辛い日が始まるだけだから・・・。
これは、みんな一緒だと思うから、たっぷり休職してリハビリに励んでほしい。
だから、彼には、「しっかり休めよ!」と強く言った。
涙をこらえるのに必死だった。
脳疾患から復職した先輩として、これだけは伝えたかった。