この記事は旧ブログ【鳥飼の自由研究室】(2020年11月9日の記事)より転載(再掲載)しました。

おはこんばんにちは、鳥飼S子ですにっこり

皆さんは新生活と聞いて何を思い浮かべますか?
進学や就職(転職・退職)、結婚等で新しい環境に身を置くこと...一般的にはこういったイメージなのではないでしょうか?

群馬県で「新生活」というと、少し意味が違います。

群馬県内で「新生活」という言葉には、葬儀における香典(御霊前)の種類のことを意味する場合があるのです。この場合の「新生活」とは香典の金額を少なくして(1,000~3,000円)香典返しは辞退するという葬儀の参列方法のことです。

そのため群馬県の葬儀会場では、受付が「一般」と「新生活」に分かれています。

第二次世界大戦の終戦直後、昭和20年代から30年代にかけて「新生活運動」という住民運動が、各地域で広まりました。敗戦直後は経済的に社会が疲弊してた為、葬儀の際の香典や香典返しは経済的負担が大きかったのです。その負担を軽減させようと始まったのが「新生活運動」です。昭和30年代半ばより高度経済成長により生活が豊かになり「消費は美徳」の社会風潮とともに、この「新生活運動」も次第に廃れてしまいました。

なぜか群馬県にはこの習慣が現在まで残っており、新生活用の香典袋が販売されています。
御霊前(新生活用)
普通の香典袋との違いは、左側に「新生活運動の趣旨によりお返しは辞退いたします」の一文が印刷されているところで、香典袋のデザインや紙質は一般的な香典袋と変わりはありません。

新生活運動によりますと、
⚫お返しは辞退し、礼状のみ受け取るようにしましょう
⚫施主は会葬の御礼状を用意し、お返しは用意しないようにしましょう
⚫通夜では弔問者にお清め(カップ酒、砂糖等)は用意しないようにしましょう
とあるのですが...
新生活用の香典返し(当日返し)
何故か新生活用の香典返しが用意されていることが一般的なんです...💦

「新生活運動の趣旨と違うじゃん!」と東京生まれ横浜育ちの私は思うのですが、合理的かつ義理人情に厚い群馬県民ならではの風習(グンマスタイル)なのかもしれません...凝視
ちなみに中身はこんな感じです。他にインスタントコーヒー(スティックタイプ)の詰め合わせや、紅茶とクッキーのプチギフトセット等、何種類かあるようです。

新生活運動では葬儀だけでなく
結婚披露宴の場合
⚫会費制で行いましょう
病気見舞いの場合
⚫お見舞いは、1,000円にしましょう
⚫快気祝い(お返し)はしないようにしましょう
その他のお祝いの場合
⚫出産祝い、節句、新築祝いなどは、1,000円にしましょう
等が推奨されているのですが、群馬県では葬儀以外に新生活運動を行うことは極めて稀です。

お祝い事は派手&盛大にするのが群馬スタイルらしく(※最近の若い人はそうでもないらしい)、結婚式費用にかける金額ランキングの1位は愛知県ではなく、なんと群馬県なんですよ。意外ですよね。

結婚式にかける金額ランキング
1位=群馬県
2位=秋田県
3位=山梨県
4位=福島県
5位=佐賀県

群馬が結婚式にかける平均費用は443万円(関東平均327万円)で、全国平均の308.3万円をはるかに上回ります。

うちは結婚式はしませんでしたが(たった1日で数百万円もかけるなんてお金が勿体無いので💦)、人付き合いを大事にする義理人情に厚い主人は、頻繁に結婚式に招待され(余程のことがない限り全て出席)その度に御祝儀を...普段はケチ倹約家でも、出すべきところは出す!らしいです昇天

地域によって風習や考え方に違いがあるので、興味深いなぁと感じます。

遠距離恋愛から結婚すると、色々と大変なことも多いのですが、こういった風習や生活習慣の違いを嫌がるのではなく、なるべく楽しむように心掛けていますニコニコ夫婦円満の秘訣♥