櫻井です。
ご無沙汰しています。福岡のコンペ『春独丸』のことの第三弾です。
早くも相当過去のことになりつつあり、現在進行している別の案件は山のように嵐のようにありますが、
やはりちゃんと振り返っておきたいので、まだまだ粘って書きます。
-------
今回の座組み、非常におもしろいメンバーだったので、しっかり紹介しておきたいのです。
稽古場での衣装合わせ時の出演者三人の写真どーん。
まず、たけうちみずゑ(真ん中)。
「女(白)」役。
もちろんchon-muopのメンバーではありますが、最近の劇場公演ではスタッフ参加が多かったので、久々の「軸」の出演者での参加でした。主役ぅ。
今回のあまりにも自由過ぎるサクライ独自の戯曲解釈によって、登場人物を一人増やすことになり、そーいうアクロバティックな演出プランに耐えうる人物として、たけうちさんは絶対に必要な出演者でした。
あんときのあーいう感じで、とか、
よくわからないけど存在していてくれる?とか、
あなた、誰?とか。
そういう無茶振りとともに、作品全体のパッケージを共に考えられる人として、尽力してくれました。大感謝です。
最後まで台詞ふわふわだったけど。
塚田次実(右の人)。
「女(黒)」役。
オブジェクトパフォーマー。モノ遣い。と名乗ってらっしゃいます。
聞き慣れない言葉で、何をやる人なのかよくわからないかもしれませんが、
彼女のモノやヒトとの関わり方、自身の身体の使い方を一度見れば、その凄さがよくわかります。そういう抜群の説得力の身体性を持つ御方。
今回の作品のある種「精神的」な部分とともに、目に見えるものも見えないものも同時に司っているような存在感、幽霊とイタコとどっちも同時に召喚しちゃったような存在感。『春独丸』を一読した瞬間から、彼女が頭に思い浮かんでいました。
モノへの執着が強いので、作品のビジュアル面に関してもたくさんのアイディアをいただきました。大感謝です。
あと、酒への執着もとてつもなく強いので、のんべえ仲間としても欠かせない存在でした。これ大事。
荒牧大道(左の人)。
「春独丸」役。
今回最大のホットな話題を提供していただきました。(というか、わたしがハメました)
今回のコンペの審査員の一人、演出家のペーター・ゲスナー氏は、彼が十数年苦楽を共にした同じ劇団の恩師であり朋友。しかも最近訣別したばかり。
さらに、福岡は彼の郷里。
ノスタルジーとしがらみの要素が多すぎで申し訳ないくらいでしたが、もちろん、俳優として信頼していたからこその今回の出演依頼でした。『春独丸』のタイトルロール「春独丸」という人物の、ある種「いびつな」感じ、悪気のないモンスター感。それを体現してもらうのに、うってつけの俳優さんでした。大感謝です。
舞台監督の職人でもあるので、その分野の仕事に関しても大いに頼らせていただいちゃいました。
甲斐謙一。
音楽と音響。
chon-muop近作では欠かせない「音」を出してくれています。本人は「宅録派」タイプなので、ライブめいたことは苦手、と言っているにも関わらず、2015年の『○口なし』という作品ではナマで音加工をしてもらうという離れ業をしてもらい、今回も色々やって~という、ここもまた無茶振りのオンパレードに対して、苦笑いしながらも最後までお付き合いいただきました。
福岡入りしたのちも無茶振りが続く櫻井に対して怒り狂うことなく対応していただきました。大感謝です。
そんな彼は、オフのときは全力でオフ。馬鹿になります。オンオフの達人でもある。
前田さやか。
照明。
せんがわ劇場関連公演からずっと頼りにしている照明さん。無垢と言っていいほどのはっきりした態度で常に現場に臨んでくださいます。
れっきとした「照明」のクレジットであり、照明さんの仕事は当然ちゃんとこなしてはいるが、前ちゃん本来の存在の良さはまた別のところにもあります。照明だろうがなんだろうが関係なく、「その場」を楽しむスペシャリスト。楽しめない現場に対してはシビアです。今回もなんだかんだうるさいおっさんおばさんの面々にお付き合いいただきました。大感謝です。
実はとっても乙女。
この六人で福岡の旅公演に臨みました。
座組みを編成する時点で、この六人それぞれがそもそも「一匹オオカミ」の素地を持っているということは、わかっていました。創作することだけではなく、「旅」も共にするメンバーとして、みんなそれぞれが「一匹オオカミ」質を備えているからこそ、うまくいくだろうと思っていました。そしてその通りでした。
しかしながら、それぞれの器の深さに甘えた部分もそれ以上に大きかったです。本当に感謝しています。
それから。
澁谷橙。
なぜか仲代達矢さんの芝居のチラシを持っています。
chon-muop鳥取班(ひとり)なので、ここ最近は直接クリエイションの現場には関わっていませんでしたが、
ちょうどたまたま彼が東京に来訪していたときに、こちらは『春独丸』の迷路に迷い込んでいた真っ最中。
「ど~しよ~、ど~したらいい~?」と、黒ずんだ顔がさらに黒くなっている櫻井のか細い声をさらりと流しながらも、
橙さんは台本と演出プランをその場で一読し、手裏剣を繰り出す忍者のごとく、様々なアイディアを投げてくれました。
「出演者全員、赤く染めたビニール袋を被っており、『明太子!』と叫んで終演」とか。
『春独丸』のことを考えるだけでくら~い気分になっていたわたしとみずゑさんに、明るい光をもたらしてくれたのでした。
ここも間違いなく大感謝。
最後に。
今回初めて、「割りと広く告知をして、稽古見学者を募る」ということをしました。
コンペティションに備えて色んな人の意見を聞く、ということが第一義ではありましたが、ブラッシュアップの為に稽古途中の作品を観ていただくというのは、おもしろくまた為になることだとは思っていました。
実際に集まっていただいた十人足らずの方々にも、様々な感想やご示唆をいただきました。大変にありがたいことでした。
この場を借りて感謝申し上げます。







