「松田聖子がわたしの口笛に侵入してきました」渋谷橙です。
ひげがのびすぎています。
わたしのひげは
物心ついたときから
赤茶色ではえてきます。
ひげ眼鏡坊主頭にぼうし
が
わたしを覆うようになり何年か経ちます。
ひげ眼鏡坊主頭にぼうし
のひとを見ると妙に親しみを感じます。
ひげ眼鏡坊主頭にぼうしを
卒業する日は来るのでしょうか。
電車の中で尾崎豊がわたしに問いかけます。
演劇の中では
わたしがわたしであるために
という思いとはうらはらに
おかしな格好をいろいろすることができます。
金髪
緑髪
フリルのシャツ
腹巻き
ステテコ
青いドレス
青いかつら
など。
変身願望というわけではありませんが
わたしには年に何度かの演劇があればいい。
日常に感じるゆがみを
演劇に寄りかけながら
わたしはひとつきぶんのひげを今夜そります。