「プレート」を手にして、ラクダで砂漠を移動する夢を見ました。
そのプレートは、「幼少期、他人によって傷ついたこと」のシンボル
そして、ここでいう「他人」とは「同じ年頃の子どもたち」
そのプレートに対して、なんら喜怒哀楽を抱くことなく、客観的な眼差しで淡々と運んでいます。
目が覚めて、ぼんやりした意識の中で、
「天使は道徳的判断をしない」
とシュタイナーの言葉が浮かんできました。
それは、死後、肉体を離れた魂が、人生を逆向きの時間で振り返る遡行体験と関わります。
私たちは死後、生きてきた人生の三分の一の時間を使って、追体験をするそうです。
その時、自分が感じたり考えたりしたこと、つまり、内側の体験が外側の景色となって近づいてきます。
多くの感動を体験した人生であれば、美しい景色を感じ、妬みや僻みで心がいっぱいだったとすれば、虫や蛇など恐ろしいイメージが迫ってくるということです。
そして、自分が他者に与えたこと、つまり外側の体験を、自分自身が体験することになります。
人に優しくして、相手が温かい気持ちになったという出来事があれば、自分自身が温かい気持ちを感じます。
人に意地悪をして、相手に恐怖や屈辱を与えた出来事があれば、自分自身がその感情を体験することに。
こうした死後の遡行時間に、守護天使はずっと同伴しています。
その時
「ほら、あの時、親切にしてよかったでしょ」
「あの時、意地悪したから、今、自分に返ってきているのですよ。反省しなさい」
・・・などの「道徳的判断」は一切、しないそうです。
最初、その話を聞いた時「天使は無条件の愛で寄り添ってくれる」という側面を感じました。
けれど、さらに深く考えていくと、霊的世界に「情状酌量はない」ということでもあるのでは？と思ったのでした。
「分別のない子どものしたことだから」
「家庭の事情でストレスを抱えていたから」
「悪気はなかった」
人間界では、誰かを傷つけたとしても、そうしたことが加味されますが、それは非常に主観的で曖昧なものです。
神秘学における「霊」とは「客観性」を意味します。
人間の意志では変えることのできない絶対的なもの。
だから、霊的世界では、ただ「生きている間に自分が行ったことを、自分が体験する」という非常にシンプルな法則が働くのだと思います。
私は子どもの頃、非常に人見知りが激しく、集団が苦手でした。
幼稚園では、ほぼひと言も言葉を発しないまま卒園。
いわゆるHSCだったのだと思います。
大人しい子どもは黙って我慢し、自己主張の強い子どもは「ゴネ得」で、自分の思い通りにするという子ども社会が苦痛でした。
表面的にはそれで、丸く収まるので、教師たちは大人しい子どもに、手の焼ける子どもを「押し付け」、自分の指導がうまくていっている体裁をとっていました。
夕べ観た夢で、そうした遥か昔の光景が蘇ってきました。
「分別のない子どものしたことだから」
「家庭の事情でストレスを抱えていたから」
「悪気はなかった」
ああ、霊的世界では、そうしたことは関係ないのだ…ということが、感覚に落とし込まれたのでした。
背後の事情に関わらず、ただ自分のしたことは、自分自身が回収する…それが絶対的な法則なのだと思います。
もちろん100％の善人も100％の悪人も存在しません。
私自身も、きっと他の人々を傷つけてきた場面が、たくさんあったことと思います。
宇宙の平等な法則の元、それを真摯に引き受けようと、改めて決意しました。
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阿部小百合
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