昨日に引き続き、今日も

ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調『新世界より』です。

なお、[ ]内の数字に、各楽章のタイムを記載してみました。

ご参考に・・・・。(昨晩の、その①にも追加しておきました)


人生どうらく日記

ズデニク・マーツァル指揮

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

(2004年プラハ芸術の家、デジタル録音、SACDハイブリッド盤)

[ⅰ12:08 ⅱ11:45 ⅲ8:05 ⅳ11:22]


ドラマ『のだめカンタービレ』のビエラ先生役で出演していたことでも有名なマーツァル。

のだめという国民的ドラマに出演していたものの

どちらかといえば、スター指揮者とか人気指揮者というより、本来は地味な職人タイプです。

そんなマーツアル、チェコフィルの首席指揮者として、この盤は、はじめのころの録音です。

西側で活躍するも、こちらもクーベリック同様冷戦後チェコに帰郷したチェコ出身指揮者マーツァルに

チェコ・フィルの『新世界より』といえば、お国ものコンビだけに18番中の18番、のはずですが・・・・


第一楽章のトランペットの味付けや、弦の表情付けなどは、

神経が行き届いて悪くは無いですし、

第二楽章では思い入れたっぷりに歌い上げ、弦のppも秀逸。

けれども、スケルツオでは推進力が不足、

フィナーレでは、テンションが低すぎ。

低弦も全く聴こえてきません。いや、低弦のサウンドが死んでる(笑)


オケ側がこの曲のレコーディングに飽き飽きして乗り気でなかったのだろうか?

とまで勘繰りたくなります。


実はこのマーツァルの『新世界より』は2度実演に接したことがあります。

1度目は2007年にチェコ・フィルと。

それはディスク同様あまり感心できませんでした。

2度目は今年の年初にプラハ交響楽団との公演。

こちらは、マーツァルがディスクでやりたかった中途半端な表情付けが

かなりストレートに表現出来ていて面白かったのですが

オケの技術が酷すぎたいへん残念な演奏会でした。

2度とも会場は「ブラボー」の連呼で沸いていましたが、

私はカーテンコールもそこそこに早々に帰路につきました。


それだったら、全然良く無い指揮者やん??

いえ、マーラーの全集は結構いいセン行ってます。(笑)


お次はこれ。


人生どうらく日記

レナード・バーンスタイン指揮

ニューヨーク・フィルハーモニック

(1962年、マンハッタンセンター、ステレオ録音)

[ⅰ11:04 ⅱ14:43 ⅲ6:31 ⅳ10:57]


実は、この演奏、小学校5年のときにカセットテープで買って、

ラジカセと必死になって対峙していた思い出の演奏です。


先程のマーツァルとは対照的に、

バーンスタインらしくバスをズンズン強奏させ、

第二楽章のゆったりとしたテンポ、スケルツォでの推進力・フィナーレでの開放感には圧巻。

アメリカ的な演奏といいましょうか・・・(笑)

ドヴォルザークが渡米したときに郷土への想いを曲に綴った『新世界より』ですから

これはこれであり、ですね。

第3楽章後半での煽りと、フィナーレの冒頭なんか、

バーンスタイン後々のマラ9に共通するような構成の仕方です。


しかし、いま改めて聴いてみると、「他にもっといい演奏があるよ」

って思ってしまいます。

なぜか? 

大好きなホルンがトランペットにことごとくかき消されてしまっているからなんです(涙)


で、今日の〆は、コチラ。


人生どうらく日記

カレル・アンチェル指揮

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

(1961年、録音場所記載なし、ステレオ録音

スプラフォン原盤から、JVCによるXRCD)

[ⅰ9:04 ⅱ11:28  ⅲ7:45 ⅳ11:12]


地味すぎるくらいの演奏です。

しかし、巧みにアゴーギクを駆使して

黄金期のチェコ・フィルからキリリと引き締まったサウンドを引き出し、

アンチェルはこのディスクしか聴いたことがありませんが、

その実力はそうとうなものなのでしょう。


輝かしさや派手さといったものをこの曲に求める方には不向きかもしれませんが

何度聴いても飽きる事無い、新しい発見のある、素晴らしい盤だと思います。


XRCD盤では、60年代初頭の録音とは思えない

低音もしっかり効いていますし、音の鮮度も高く、

定位や音像というのもしっかりしていますので

オーディオ的にも楽しめます。

ボリュームを上げて聴いても、ヒスノイズなども気にならないのもいいです。

今日は以上3枚をご紹介しました。

あれっ?あの名盤もないし、あんなんも無いやんっ?!

それは、次回ってことで(笑)

その③もお楽しみに・・・。