既に他界した義父2018年の記録
義父の退院
やっと特養の受け入れ先が決まり、退院することになった義父。
退院日の朝、病院に行くと、うつろな目でぼーっとベッドの上に座っていました。
「さっきお風呂に入ったんですよ。」 と、看護助手。
「お義父さん、サッパリしたね。良かったね!」
声をかけてもやはりぼーっとして返事もしませんでした。
他の家族が話しかけても駄目でした。
今朝もあの点滴(きつい鎮静剤)をされていたのかな?
それともまた認知症が悪化したのかな?と思いました。
次々と職員が挨拶しても無表情だった義父が、ある男性が目の前に来た途端、
満面の笑みを浮かべました。
毎日リハビリをして下さっていた作業療法士さんでした。義父は、
「きょうは? きょうは(リハビリを)せんの?」
ニコニコと作業療法士の先生に話しかけていました。
先生が首を振ると義父はガッカリした様子でした。
退院の日もその先生と一緒にリハビリをしたかったのですね。
お義父さん、リハビリ楽しかったんだ
作業療法士の先生は義父に誠意を持って向き合って下さってたんだとわかりました。
何よりも輝く様な義父の表情がそれを物語っていました。
辛いことばかりのように思えた義父の入院にも楽しい時間があったのです。
認知症だからと侮るなかれ。
重度の認知症で何もわからなくなったように見えても、
人の真心をちゃんと受け取ることはできるのです。
ヒメヒオウギの花言葉は「楽しい思い出」