失願症(相貌失認 そうぼうしつにん)
失願症(相貌失認 そうぼうしつにん)とは脳の障害のため人の顔を識別できない症状のこと。
脳損傷、特に側頭葉に偏在する顔領域の認識機能の障害によって起こる。
顔の輪郭や目・鼻・口など顔の構成要素は知覚できるが、
顔を見てもその人が誰か認識しにくくなる。
1947年、ドイツの神経学者Joachim Bodamerが、頭部外傷後に家族や友人の顔を認識できなくなった男性の症状を「相貌失認」と言う名称で報告した。
先天性の場合もあれば、後天性の場合もある。
先天性相貌失認の人口は2パーセントほどと考えられている。
軽度の場合、障害と認められにくい。
後天性相貌障害の場合、人間の顔を認識・識別する脳の側頭葉と後頭葉が
事故や病気などの理由により損傷を受けることにより人の顔の認識が困難となる。
ブラッドピッド
2013年5月に「相貌失認」の症状があることを告白した。
彼は多くの人たちから自分が嫌われていると述べ、
自分は彼らからとても失礼な人間だと思われていると話した。
面と向かって話をした人でさえも、なかなかその人の顔を覚えられず、
『どこでお会いしましたっけ?』って正直に聞くようにしたら、
相手をもっと怒らせることになってしまったと打ち明けた。
池谷裕二氏
東京大学薬学部教授で脳研究者の池谷裕二氏は以下の様に述べている。
先天性相貌失認は人口の2%。多くは遺伝。父も私と同じ症状。
人に会うのが億劫だから内向的になりがち。ぜひご理解を!
多くの患者は症状に無自覚です。
かくいう私も脳研究を二十年続けて、
自分が病気だとわかったのはわりと最近です。
たとえば小学生の頃から毎年、
新学級のクラスメイトの顔と名前が一致するのに三カ月くらい。
つまり、やっと覚えた頃に、夏休みでした。
ただ私は、周りの皆も同じだと思っていたのです。