着信拒否してもまた
既に他界した義父2018年の記録 3
私は病院からかかってくる電話を着信拒否することにしました。
ところがまたかかって来たのです。
DVDも観れるポータブルテレビを買って持って来る様に言われました。
着信拒否した病院の番号の末尾は◯◯◯1でしたが、
◯◯◯2からかかって来たのです。
夫に話すと、「親父にはもう操作は無理だ買わなくて良い」
と言われたので、看護師の指示には従いませんでした。
◯◯◯2も着信拒否にしました。
すると翌日は◯◯◯3からかかってきました。(一体何本外線があるの?)
お義父さんの思い出の写真で小冊子を作って持って来るように言われました。
思い出の写真なら実の子どもに依頼して欲しいと思いました。
私の持っている写真は限られています。
急ぐと言うので我が家にあるものを探し出してスキャンし、切り貼りして
アルバムを作りました。
「実母の介護もあるので、もうこれ以上対応できません。」
といくら言っても薄笑いするだけ。
私にだけ毎日のように電話がかかってきます。
何度言っても駄目でした。
外線が何本あるのかわからないので
◯◯◯1から◯◯◯9までの9つの電話番号を全て着信拒否しました。
義父には夫を含めて三人の子どもがいます。
私が電話に出なければ、誰かに電話がいくだろうと思いました。
そう、なぜ嫁の携帯が筆頭連絡先となってるのか意味がわかりません。
容体の急変などが起きたときだけは嫁ではなく、
血縁の家族に連絡するのだろうなと感じていました。
着信拒否した後、これでもうかかってこないと安心していたら、
知らない携帯番号から私のスマホにかかってきました。
また義父のいる病院の看護師からでした。
あまりのしつこさに怒りを通り越して身体の力が抜けていくようでした。
「お義父さんの話し相手になってもらえませんか?」
私に何も言わせず、すぐに義父に携帯電話を持たせたようです。
仕方がないので、
「おとうさん、のばらです。」
と、電話口で呼びかけました。
「はぁ〜?」
「おとうさん...。」
「はぁ〜?」
「おとう...」
「はぁ〜?」
「はぁ〜?」
「はぁ〜?」
その時、離れている場所から笑い声が聞こえて来ました。
看護師達のようでした。
「ひどい…。」
目の前が涙でぼやけ、怒りで手が震え、
スマホを落としそうだったので大きくため息をついて電話を切りました。
そして、かかってきたその携帯番号も直ぐに着信拒否にしました。
重度の認知症になってしまった義父は
自分に妻や子どもがいることすらわからなくなっていました。
嫁である私のことなどわかるはずもありません。
毎日義父を見ている看護師達ならわかっているはずです。
認知症患者は何もわからないから何をしても良いのですか?
面白がって、笑いものにして...この時は知らなかったのですが、
家族の許可なく義父は毎晩拘束されていたことも後に知りました。
今まで色々な病院で出会った看護師達は高いプロ意識を持ち、
テキパキと仕事をする方々でした。
看護師の中にもこんな人達がいるのだと知り、
義父を早く退院させなければと思いました。
目に見えない形で人の尊厳を傷つけても法で裁かれることはないのでしょう。
でもその行為は見えないところに記録され、必ず我が身に返ってくることを
彼女たちは知らない。
可哀想な人たちです。
義父が亡くなってしまった今も私のスマホは
看護師からかかってきた番号すべてを着信拒否にしたままです。