『星の王子』さまが出版される4年前、1939年にフランスで出版された
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる随筆集

『人間の土地』

この作品のフランス語の原題は” Terre des hommes”
東欧圏では『人びとの惑星』という意味のタイトルがつけられ、
また英語では" Wind, Sand and Stars " だそうだ。
英語のタイトルが一番ぴったりのような気がする。





terre




彼にとっての三度目の砂漠
パリ-サイゴン間87時間の飛行記録に挑戦し、

リビア砂漠に墜落。
五日間歩き続けて救助された時。
その遭難の顛末を彼はこの作品で詳しく書いている。


サンテグジュペリが主張する「人が人たる所以」を
私は以下の文章の中に感じます。 

Etre homme, c'est précisément être responsable. 

C'est connaître la honte en face d'une misère 
qui ne semblait pas dépendre de soi. 

C'est être fier d'une victoire 
que les camarades ont remportée. 

C'est sentir, en posant sa pierre, 
que l'on contribue à bâtir le monde.



人間であるということは、とりもなおさず責任を持つということだ。
人間であるということは、
自分には関係がないと思われるような不幸な出来事に対して忸怩たることだ。
人間であるということは、
自分の僚友が勝ち得た勝利を誇りとすることだ。
人間であるということは、
自分の石をそこに据えながら、世界の建設に加担していると信じることだ。









新潮文庫『人間の土地』の新装版(1998年)

表紙のイラストはジブリの宮崎駿監督


人間の土地』の解説として
宮崎駿監督の書いた「空のいけにえ」の朗読
宮崎アニメの根底に流れている切なる想いに触れてみませんか?

(動画になっていますが音声のみです)
 十数分続きます。お時間のある時にどうぞ。