1 はじめに

  僕は,寅さんの大ファンで,映画「男はつらいよ」全50作を最低でも10回ずつは観ています。悪意なく生きる寅さ  んに対し,強い憧れを抱いているからです。

 本ブログにおいて,僕は,法律に携わる者として,映画「男はつらいよ」を分析していこうと思います。

 初回は,総論を述べ,次回以降,全50作の中から僕の好きな作品をピックアップし,作品に沿って各論を述べていきます。

 

2 寅さんの特徴(寅さんが愛される理由)

①   悪意がない,思い遣りがある,ユーモアがある

②   自由気儘,無鉄砲,その日暮らし,喧嘩っ早い

 

3 寅さんの良くないところ

①   的屋稼業で定職に就かず,勤労義務(憲法第27条)を果たしているとはいえない。

②   住所不定で,納税義務(憲法第30条)を果たしていない。

③   義務教育を受けていない(憲法第26条)。

 

4 映画「男はつらいよ」の生みの親=山田洋二監督(原作・脚本兼)

  →山田洋二監督は東京大学法学部卒の所謂エリート

  →山田洋二監督は,寅さんの妹「櫻」,「櫻」の夫「博」に自ら(の視点)を投影させて,寅さんをみている,と僕は解釈しています。

以下,僕の独断と偏見にみちた解釈になっているかもしれないこと,ご承知おきください。

  →寅さんに対する羨み,憧れ,と同時に蔑みも見て取れます。

  =山田洋二監督は,悪意がなく,人に思い遣りをもち,面白おかしく生きていくことの崇高さ,重要性をメッセージしています。他方で,山田洋二監督は,それとは裏腹に,人はそれだけで人は生きていくことはできない,人は,なりたい職業に応じた教育を受けた(憲法第26条)上で社会に出て,法律・秩序を守らなければ生きていくことはできない,ともメッセージしています。

 

5 映画「男はつらいよ」のテーマ

  道徳・法・秩序を遵守した上で,幸福を追求する(憲法第13条)。

  満男(櫻の子)が寅さんに,「人間は何のために生きてるんだろう。」という趣旨の質問をするシーンがあります。それに対し,寅さんは,「あー生きてて良かったな,ってときが何度かあるだろう。そのために人は生きてんじゃねえのか。」と答えています。

  →山田洋二監督は,映画「学校」の中で,幸福について,「あー生きてて良かった。あー生きてえな。」とか,それが幸福なのではないか,そのために人は学ぶのではないか,と生徒に語らせています。

  →山田洋二監督は,寅さんを通じて,人は,道徳,法律,社会秩序を守らなければならない。その上で,悪意なく,人に優しく,楽しく生き,「あー生きてて良かった。」という時(とき)を増やし,「あーいうふうに生きたいな。」という思いを強くもって生きていく,ということを伝えているように思えます。

 

6 次回予定

  次回は,名作中の名作「男はつらいよ第17作 寅次郎夕焼け小焼け」

(マドンナ 太地喜和子)に沿って,寅さんを法的観点から分析していきます。