正式競技となって以降では初の金メダルを獲得した野球日本代表「侍ジャパン」が8日、都内でメダリスト会見に出席。稲葉篤紀監督(49)はチームの『陰のMVP』に青柳晃洋投手(27)の名前を挙げた。

大会MVPの山田を筆頭に、坂本、山本、栗林と躍動を見せた選手たち。ただ、稲葉監督がチームを裏から支えた『陰のMVP』の1人に挙げたのは意外な選手だ。「青柳投手のハッピーバースデーはうれしかった」。チームのムードメーカーを担った青柳の名前を真っ先に口にした。

大会では初戦のドミニカ共和国戦で1回2失点。さらに2日の準々決勝・米国戦でも、カサスに3ランを浴びるなど悔しい結果に終わった青柳。ただその翌日、選手が企画した稲葉監督のサプライズ誕生日会で「ハッピーバースデー」を熱唱して、大いに盛り上げた。

「ヤギにはいつもと違う場所(中継ぎ)、タフなところで投げてもらって申し訳ない気持ちでいっぱい」と稲葉監督。それでも「チームのために何とかしたい、そして私の誕生日で歌ってくれる。そういう気持ちがうれしかった」とその『貢献度』を評価する。

緊迫した勝負が続く中で、笑いが絶えない空気感も稲葉ジャパンの特徴。チームの結束に青柳も一役買っていた形だ。稲葉監督も「素晴らしい選手たちと野球がやれて、私は幸せに思う」と、あらためて24人の侍たちに感謝の言葉を贈った。

「金メダルを取れたことで子供も大人も、少しでも野球をやってくれる方が増えてくれれば」。誇り高く、躍動的で、ふとした瞬間に笑いも起こる。そんな理想的なチームの姿が、野球の未来を明るく照らすことを願った。