歳を重ねたトラ店のお客様と旅のお話をさせて頂くと、旅行と言えば温泉宿に泊まってそこの板前さんが作ったお料理を頂いて、温泉宿からは外に出ないでゆっくり過ごす的な旅のスタイルを好む方も多いですね。

俺も20代には野宿を散々やり、30代からは駅近の安いビジネスホテルに素泊まりし、夜の街に繰り出し、その土地の居酒屋さんやバーに行くスタイルになりました。年代によって旅のスタイルもまた変化するものの様で、俺もいつしか温泉宿スタイルになるのかなあ、なんて思いつつ、青森県青森市のビジネスホテルに到着、早速、夜の青森の街へ繰り出しました。

ホテルのフロントにあった、青森市夜のオススメ情報を見て、その中で良さげなお店に電話すると日曜日の18時にも関わらず「すいません、いま満卓です」と2軒の居酒屋さんに断られる(T-T)

5月の社員研修で焼津に行った時も思いましたが、月曜日や日曜日で満卓!という様な、凄いお店ってのはやはり何処の街にもあるんですね。

だのでまあ青森の街をブラブラ散策しながら良さげな居酒屋さんに入る事にしました。

青森市に泊まるのは初めてで、暮れなずむ晩夏の見知らぬ街を、潮気混じりの生温い夜風に吹かれ、サンダルでぽくぽくと居酒屋を探して歩いて居ると、それだけで幸せな、ありがたい気持ちになって来ます。

しばらくして良さげな居酒屋さん発見。入り口の脇の活魚水槽に生きちゅうホヤが入っちゅうじゃないかい!

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↑オレンジ色が神々しいまでに美しい、本州の北の果てのホヤ。

それを見て反射的に入店する。お店の中には大漁旗が壁に貼られた、如何にも港町然とした、いい感じのお店。既に地元の酔っ払いが楽しそうに飲んでらっしゃる。お通しは七輪でシシャモをセルフで炙って食べるシステム。何だか楽しくなって来たよ~ッ!

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早速ホヤを注文。そして夏ですがお燗の地酒を2合注文。生ビールはお燗のチェイサーにします。暫くして活けホヤのお刺身登場。

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↑日本酒のお猪口の手前が「ホヤ水」!(`´)


ぼかぁ、居酒屋さんで、活ホヤが有ったら必ず頼むんですが、ホヤ水がお猪口に入って付いて来た居酒屋さんは、このお店が初めてでしたね。この出して頂いたホヤ水が、潮の薫りがしてやたらと美味い。何か俺が自分ちで捌いて食べたホヤのホヤ水と、風味や色、液体の粘度がやけに違う気がする。こんな濃かったかな…

埼玉県の熊谷市でも、ちょっといい鮮魚店なら夏は活けホヤが売ってまして、俺は何回か活けホヤ買って自分で捌いて食べてましたが、その時に包丁で殻を割って、ワッと出て来た水は全部「ホヤ水」だと思ってボールに取り置いては喜んで飲んでましたが、板さんに依ればそれはホヤが吸った只の「海水」だそうです(´-ω-`)本当のホヤ水ってのは、ホヤの頭っ側の吸排水弁の間の小さな部屋を満たして居る水の事だそうで。

そうか、俺が今まで喜んで飲んでたあれは、ホヤが其処らの海底で吸い込んで居た単なる海水だったのか。

嗚呼……(´-ω-`)