相模湾付近の河川で鬱憤を晴らした我々は、昼飯も食べずに此の社員研修のふたつの要の内のひとつ(ひとつはアカハライモリ捕獲であったがその夢は霧と散った)アユカケを捕獲する為に場所を移した。

クルマで走ること約10分。

工場や住宅の雑排水が流れ込む、お世辞にも美しい川とは言えない、生活道路に面した、両側2面をコンクリートで護岸した名も無き川に到着。

魚博士Nさんによれば、この小さな川にアユカケが棲むと言う。本来、アユカケは清流に棲む魚であるが、奇跡的にこの名も無き川は、生活排水も受けとめて、生態系のバランスを保ってると言うのか。

アユカケ。

エラブタの外にある鍵状の突起で好物である鮎を引っ掛けて捕食する事から付けられた「鮎掛け」本当にそんな事が出来るのか?ミステリアスな和名。

「石化け」と呼ばれる程、周りの景色に溶け込み、敵からも、自らが捕食する獲物からもその身を隠す隠密行動を行う。

ぼかぁ、子供の頃に釣りキチ三平って漫画で知ったアユカケでしたが、自分で野生のアユカケを捕まえるチャンスが訪れたのは初めてです。

3人でウェーダーに着替えてガサ入れ開始。Nさんがミミズハゼと言うレア物を捕獲!(`´)

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↑何だこりゃドジョウじゃないか。いいえ、ミミズハゼ。

幸先良くスタートを切ると、沢山の小魚がピュンピュンと水中を横切ります。それ見てるだけで、嗚呼、楽しい。

ややあってNさんの「あっ!これアユカケです!」と声が有り、近寄るとタモ網の中にアユカケが!

アユカケの川に向かう途中、車内で「アユカケって見てすぐ分かります?カジカに似てますよね」と俺がNさんに問うと「いや、見たら分かりますよ、体型が独特なんで…」

確かに頭が異常に発達して大きく、エラブタから下の身体が大変に貧弱に見える…ちょっと深海の魚みたいなアンバランスさ。

1匹目のアユカケに沸いて居ると、Nさんの彼女が先程のナマズ捕獲に続き、またもやお手柄!この川では最大クラスのアユカケを捕獲!!(^3^)/

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↑アユカケ。釣りキチ三平で知ってから40年、初めて出会いました(T_T)少年老いやすく学成り難し。

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↑まずまずの成果があってひと安心。恒例の記念撮影。

2時間程ガサッて色んな魚が捕れました。

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↑マハゼ。天婦羅にするとすこぶる美味。このガサ地点は純淡水だと思うのですが、1キロ程下流の海から上がって来る様です。

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↑ウキゴリ。俺、こいつ中学生位の時に飼ってました。35年振りだな、お元気そうで何より!

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↑鮎。天然遡上の稚鮎ですね。多くの釣り人を魅了して止まない鮎ですが、今回の我々的には特にどうでも(笑)アユカケの大好物でもあります。

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↑ヨシノボリ。これは埼玉県にも居ます。これはカワヨシノボリかねえ、ヌマチチブ同様にデカイ個体です。ヨシノボリって地域個体差が激しくて興味深いですね。

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↑アユカケ。今回の目的のひとつ。捕れて良かった!(^3^)横から見ても頭が大きい。カジカとは全然違いました。

ガサガサを終えてウェーダーを脱ぎ、3人でお茶を飲んで居ると、タモ網を持った青年が、向こうからのんのんと歩いて来るではありませんか。

変態の性か、我々は見てすぐに彼が某大学の某学部の学生と分かる。だって網担いで長靴履いて宅地を歩いてる20歳位の若者ですよ、どう見てもその筋の変態さんでしょう。


この若き変態くんとの出会いが、この後、終わりに差し掛かった我々の旅に小さな奇跡を起こしてくれるとは…