少し暖かくなったので、トライアンフを走らせる機会も多くなりました。

と、言っても2~3時間とりとめも無く、其処ら辺りをあても無く走るだけなんですが、あても無く走って楽しいのがオートバイやスポーツ・カーの魅力でもあります。

速いとか便利とか楽チンとかと対極の場所にあるのがオートバイとスポーツ・カー。運転操作を、機械との対話を積極的に楽しむ為の遊び道具だと思います。

そら2ペダルのがニュルブルクリンクでラップタイムは出ましょうが、人は皆、ニュルブルクリンクで無く、普通の生活のひとコマの中に、オートバイ・ライディング、スポーツ・カー・ドライビングを楽しみにしたいのです。愛したいのです。

ポルシェ社がやはり流石で在ると思ったのがGTシリーズに3ペダルを復活させたらしいですね、トラ店常連のS根崎先生が言ってました。

全体の僅か1%しか居ないと言われる本当のポルシェの乗り手(湾岸ミッドナイト調べ)「ポルシェ使い」と言われるポルシェのお客さんから3ペダルの復活を望む声が、ポルシェ社に届き、それに応えたんでしょうなあ。

3ペダルを2本の足でやりくりしながら棒(シフトノブ)を掻き回すのが面白いんだよって、俺達はそういうスポーツ・ドライビングこそを愛してるんだよって、ポルシェ使いの皆さんは知ってるんですね。

さてオートバイで小川町の辺りをふらふらして来ました。

この日は最高気温が22度まで上がり、素晴らしいオートバイ日和でした。

これが5月位になると、毎日が22度位になるので、ありがたみが無くなるんですね。寒い時期にポッと20度越えの日が在ると、人はその1日をたいそう大切に感じるのです。毎日になると、てんでありがたく感じ無い。ここら辺に人間のどうしようもない限界、業を感じずに居られません。ええ、私の事です。

今まで通った事の無い横路にそれると、八高線にぶつかりました。小川町にはそこだけ切り取ると埼玉県を忘れさせてくれる、ハッとする様な景色が在ります。

それは絶景の類いとは異なりますが、段々畑や苔むした石垣、手入れの利いた小さな神社や、美しい水の走る細かいせせらぎ等、人の気持ちを柔らかく解してくれる様な景色なのです。

こういう感じが欲しくてオートバイに乗ってるんだなって思います。クルマはどうしても部屋ごと移動してる感覚が強く、身体を外界に晒して乗るオートバイ独特の景色の感じ方には成り得ません。

その八高線の踏み切りを渡り、八高線に沿ってトライアンフを走らせると前からリュックサック背負った若いカポーが歩いて来て、女の子が嬉しそうにいい笑顔で彼と話して居ました。女の子じたい、実に可愛らしい顔立ちで、あれは彼氏にとっては、まっこて自慢の彼女であろう、実によか、よかばい!( ´∀`)

ややすると、何だかやたらと昭和な定食屋さんに出会ってしまい。遅い朝飯を食べて出て来たので、あまりお腹は空いて無かったのですが、どうしても看過出来なくて立ち寄ってカツ丼食っちまった…(;´д`)

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ご家族で経営されてるお店と見受けました。店内にメダカが居ました。黄色いヒメダカでした。ご主人が笑顔で注文を聞きにきてくれました。ご主人を拝見して直感的にカツ丼にしました。カツ丼美味く作りそうな、そんなオーラが肩から登り立っておりました。昔はこういうスモールビジネスたくさん有りましたね。熊谷市内はこの手の素敵な定食屋さん、中華料理屋さんはほぼ絶滅してしまいました。これも時代の流れですね。

出て来たカツ丼、やはりと言うか、大変に美味しゅうございました。低温でじっくり揚げたロースカツを玉子と玉葱で閉じた煮カツ丼。これチェーン店だと冷凍のとんかつを時短を目指して高温でチャッと揚げるから、カツの衣がどーしても不必要にカリッカリに固いのよね…甘い出汁がムッチャ染み込んだ椎茸入ってました。ああ、懐かしや。

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このお店のご主人、今までに何杯位カツ丼作ったのかなあ…

厳選した新鮮な素材を贅沢に使った丁寧な仕事って、それはそれで確かにとても尊いものですよね。しかしどうでしょうか、淡々と、粛々と、何十年もの長い間、来る日も来る日も八高線の小さな駅前のお店で何百、何千杯ってカツ丼作って、大雪なんか降るとお客さん1人も来ない日もあって、そんな日は日記に「もう駄目だ」とか書きつつも、やはり身体はカツ丼作りを覚えてて、いわゆる目ぇ瞑ってても同じカツ丼作れる様な「考えるな感じろ」みたいなおじさんが作るカツ丼の、上手く作ろうとか、目の前でカツ丼食ってるお客を唸らせてやろうとか、食べログで高評価貰いたいとか、そんな邪念は全く無い、無心で、平常心で、お店の本棚見ても「美味しんぼ」なんか並んでない、まるで自然に呼吸をする様に作った、ひとつのアペックスを越えて来たカツ丼の美味さってありますよね。

そんな事を考えつつ、美味いカツ丼食ったので帰りました。