昨年の7月の誕生日のお祝いに、と知人に頂いたロッジのスキレット。

平たく言うたら鉄のフライパン。こいつを苦節1年、ようやく焼きそばや焼きうどん等の炭水化物が焦げ付かなくなるまで育て上げました!

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※フライパンに「カッコいい」と言う形容詞が合うのかどうかは知らないが、あえて言おう、カッコいいと!


俺が子供の頃は、家庭のフライパンは普通に皆、おしなべて鉄でしたね。うちのばあちゃん(明治43年生まれ)は鉄のフライパンで甘しょっぱい玉子焼きを良く作ってくれました。明治生まれは玉子焼きはバリ固で仕上げますね。目玉焼きも半熟とかしなかった。目玉焼きひっくり返して両面焼いてましたね、ターンオーバーですね。昔は玉子が傷んでいたりする事も多かったみたいで、玉子はキッチリ火を通しますね。

その割りにばあちゃんはやたら玉子かけご飯好きでしたね。人間て矛盾した存在ですね。

最古の鉄のフライパンの記憶は、だからばあちゃんのなんですね。俺のお袋さんは案外と潔癖症で、調理後に鉄のフライパンを洗剤でしっかり洗うものだから、よくばあちゃんに嫌がられてましたね。ばあちゃんは他人をあんまり叱らない人だった。だから自分の娘が鉄のフライパンを毎回洗剤で洗うのを見ても「嫌だよこの子は…」位で叱らない人でした。

今、自分が鉄のフライパンを使って感じるのは、やはりばあちゃんが正しかったですね~。

調理後の鉄のフライパンを、幾らキレイ好きでも洗剤で洗っちゃダメじゃ(笑)いわゆる潔癖症って、全然理屈に叶って無い、個人的で気分的な表層的なものが多いなって、こういう時に僕は思いますね。潔癖ってトータルな所、自分で首絞めるみたいに、かえって損してるんじゃないですかね。何でも程々で許しておきましょうよ。

鉄のフライパン、調理後は水かお湯で亀の子ダワシでよく汚れを落として、お好み焼き用の油を塗る刷毛でオリーブオイルを面に塗っておき管理する。これが正解です。

鉄のフライパン、使いなれたテフロンと全く違いまして、最初は手強かった。泣かされましたね。当初目玉焼きも焦げついて、楽しみに焼いてる半熟の目玉焼きの、黄身の部分がフライパンに張り付いて流失した時のあの喪失感、絶望感を何回か味わいましたね。

しかしそこで諦めず、上手く育て上げれば鉄のフライパンはテフロンの比では無い、食材を美味しく仕上げる至高の調理器具になってくれる筈、とダッチオーブン好きな俺は耐える事にしました。

「目玉焼きが焦げ付くのはこいつのせいじゃない、使い手の俺が未熟なだけだ…」

程無く目玉焼きが安定して焼ける様になりました。

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この目玉焼きの裏側のきつね色に焦げた部分を「メイラード反応」と言って鉄のフライパンとたんぱく質が出会って反応して出来る部分だそうです。これが今は亡きばあちゃんの目玉焼きのあのカリカリや!(`´)

目玉焼きが安定して焼ける様になったら次は餃子です。

こいつも、皮が片側焼き面だけ全部フライパンに焦げ付いて取れちゃって、仕上がりが皮が半分の、中身が見えちゃってる惨めな餃子を何回焼いた事か!!(´д`|||)

特に仕事が終わって深夜に帰宅して、よっしゃラストにレモンハイと餃子食うたるで!って時に失敗したあの辛さ!!

テフロンのフライパンも有るんです、でもここでテフロンに逃げたら鉄がいつまで経っても育たないじゃないですか。だから嫌な予感しかしなくても、鉄のフライパンを鍛え続けました。

程無く、餃子も安定して焼ける様になり、カリカリの焼き面が楽しめる程にまで育ってくれました。

そして野菜炒めでうっすい安物の豚バラがまたまたビッチリこびりついたり、色々と苦難を乗り越え、遂に焼きそば、焼きうどんすらテフロン加工のフライパンと変わらない位に仕上がるまでに育ちました。ステーキとかもこの厚い鉄のフライパンで焼くと、テフロンとは勢いが違いますね~。

先日焼きそば焼いたら盛大に焦げ付いたので「お前はまだ焼きそばもまともに焼けないのか!!」と頭に来まして、冷静さを取り戻した際にネットで「焼きそば 鉄のフライパン 焦げ付く」とかで検索しました。そしたら何の事は無い、食材を焼く前に「油きり」と言う油をフライパンにたっぷり引いて強火で加熱し、その油をフライパンから落として調理する、と言うひと手前を掛けたら、全然、食材こびりつかないとあり、実践したら正にその通りでした(°Д°)

俺は1年間、無駄に食材をこびりつかせて居ましたね…

テフロン加工のフライパンは寿命がせいぜい3~5年?ですが鉄のフライパンは本当に1度買ったら一生ものです。

尚且つ、食材を美味しく仕上げてくれる優れもの。

ちょっと色々扱うコツが要りますが、それも道具を使う楽しみかなあ、と。仕上がれば油を敷かなくても目玉焼き位ならツルンて出来る様になりますよ。

今有るテフロンのフライパンが駄目になったら、鉄のフライパン、もう1枚買おうと思います。