17歳の夏休みに中型二輪免許を取り、すぐさま24回ローンでヤマハSRX-4を手に入れて、18歳の夏休みには北海道へ単独で野宿ツーリングに出掛けた。

イメージ 1

↑北海道・知床半島。


毎日夕方からとんかつ屋さんでバイトをして、資金は自力で何とかしてた。

今年で48歳。最初にオートバイに触れて30年以上経つけど未だにオートバイをコーナーで深く寝かせて走れない。怖いからだ(笑)転んで痛いのも怖いし、オートバイの修理代が幾ら掛かるのか考えても怖いし、転んで事故して相手が居た場合はその後の処理が面倒臭過ぎて怖い。勿論、相手に怪我をさせてしまうのが最も怖い。あと転んだ時の回りの冷たい視線もハズカチイ。あれも怖い。

ぼかぁ、10代の頃にオートバイで自動車と3回正面衝突して居る。10代って懲りないディケイドですよね。

内、2回はこっちがコーナーで膨らんでぶつかって、あと1回は相手のクルマがセンターラインを越してこちらに体当たりして来た。

最初に買ったSRXでは何回転けたか数知れず、ローンで経済的にギリギリだから転けてもバイクが直せず惨めであった。SRXの、それは美しいタンクとか凹んだままだと本当に惨めだ。そう、バイクの傷はお金を出さないと自然治癒してくれないから。

高校を卒業して買ったカワサキFX400Rでも、最初のSRX程では無いが秩父の峠で何回か転けた。こいつはその後に日本一周ツーリングの相棒になるのだが、鳥取県でセンターラインをはみ出して来た対向車と正面衝突して全損した。可哀想な事をしてしまいました。

イメージ 2

↑カワサキFX400R。モリワキフォーサイト付き。写真は大阪府八尾市の友人の下宿にて。この数日後に鳥取県で事故る。皮パンとブーツ履いていて良かったよ。



このカワサキで、俺は早くも19歳でひとつ悟る。俺には高回転型の4気筒バイクは向いてねえな、と。

こいつはタイヤが当時のカワサキのトレンドで前後16インチと小径であった。メーカーはその小径ホイールに太い、ファットタイヤを履かせて居た。16インチの前後小径ホイールの採用は、クイックな運動性能をメーカーが標榜したもので、太いタイヤは半分はルックスの為であったんじゃないか。400と書かれたステッカーが無ければ太いタイヤが見た目に力強く、あとタンクも400とは思えぬ大きさで、もっとずっと大きいバイクに見えた。まあ輸出用に同じボディで600があったから、デカく見えるのは当たり前かも知れませんが。

400までしか乗れない当時の中免ライダーだった俺は、そんな400とは思えないボリューミーなルックスに惹かれてFXを買ったのも事実でしたが、乗るとこいつが俺には乗りづらかった。典型的な、見た目で選んで後悔したパターンでしたね。

まず小径で太いタイヤを履いたその感覚が、何だか乗れない玉乗りを無理やりさせられてる様な不安定さであった。下手くそが乗るでしょ、敏感過ぎて怖いんだ(°Д°)

それまで乗って居たのは前後18インチのビッグシングルである。安定感を生み出す要素の高い大径18インチホイールを、当時の流行りの小径ホイールを無視してあえてヤマハはSRXに採用し、元から過敏になりがちなスリムで軽量なSRXに、程好い操縦安定性を与えて居たんですなあ。

で、片や乗り換えたFXは、その玉乗りみたいなガクガクと不安定な(言い換えればクイックな)操縦性に抜群に高回転型の、16000回転回る4気筒エンジンが組合わさって居る。勿論キャブのレスポンスもむっちゃ良いのですね。でもね、FXが悪い訳では無いのですよ、全ては乗り手の好みと技量の問題なのです…

クイックな操縦性能と鋭いレスポンスの高出力エンジン。それを包み込む高剛性フレームと太いハイグリップタイヤ。文字にすると良い事だらけなんだけど俺にはそのどれもがマイナス要因でした( ´△`)

俺の好きな操縦性は、岩の様な安定性と思い出した頃に仕事を始める鈍いレスポンスのトルク型エンジン。それを包み込むそれ程でも無いフレームと細い普通のタイヤ。

「速い4気筒バイクは下手クソな俺には無理だ!」早くしてそれを悟った俺は事故で潰したFXの数年後に、既に絶版車となったSRXをもう1度買いました。17歳の時に買った型のマイナーチェンジモデル、フロントが17インチを採用した走りのSRXです。昔愛したSRXともう1度、安心して走ってみたかったのです(笑)

イメージ 3

↑25歳の時に買い直したヤマハSRX-4。高校生の転ば金欠で買えなかったパーツを色々奢りました。