去る某日、平成24年度・航空自衛隊熊谷基地モニター活動の総仕上げとして、一泊二日の行程で
 茨城県航空自衛隊百里基地と同茨城県陸上自衛隊霞ケ浦駐屯地、土浦駐屯地の見学に参加しました。


 まず百里基地を見学。


 此処は航空における首都防衛の最後の守り、緊張する中国、韓国、北朝鮮、ロシアの国々からの
 日本国の領空を守る為、日夜スクランブル発進を前提に訓練や行動が取られて居ます。


 だので撮影禁止でした(T_T)


 管制塔を見学させて頂き(管制室には入れませんでした)F-4ファントムやF-15イーグルの
 離発着を見学、もうジェットエンジンの音が凄まじいの一言。


 百里基地にはイーグル中心の飛行隊とファントム中心の飛行隊の二つが存在して居ます。


 私の世代(44歳)だと百里と言えば新谷かおる先生の自衛隊漫画・ファントム無頼。


 航空自衛官が「無頼」じゃ駄目だろう、と突っ込みを入れたくなりますが、当時は楽しく
 読んで居ました。


 Fー4ファントムはマクダネル・エアクラフト(後にダグラスと合併してマクダネル・ダグラス社に)
 がデビット・S・ルイスと言う設計者を擁して元々はアメリカ海軍の航空母艦艦載機として、1960
 年から運用された、息の長い、汎用性の高い傑作機です。


 開発国のアメリカでは1996年に退役して居ますが、日本の航空自衛隊では予算やら色んなしがら
 みで、まだファントムは現役であります。


 一方の現航空自衛隊の主力戦闘機・F-15イーグルもマクダネル・ダグラス社がジョージ・グラーフ
 と言う設計者によって1976年から運用が開始されて居ます。ファントムより対空戦闘用に特化
 された生粋の戦闘機で、2013年のこんにちまで「ドッグファイトで一度も撃墜された記録が無い」
 と言われる程、高度な運動性能を誇って居ます。


 こちらも次期主力戦闘機F-35と近々交代との噂が有ります。F-35よりユーロファイターのが
 良さげなんですが・・・。


 因みにファントムもイーグルも今は国産です。マク社の図面で日本人が日本の工場で生産、管理、部品
 の供給を行って居ます。


 管制塔見学の後、実際にファントムとイーグルを整備している格納庫へ入りました。


 馬鹿でかい体育館の様な格納庫に4機のファントムと2機のイーグルが居ました。


 実際、現役の戦闘機はもの凄い存在感があり、「そこに有る」と言うより「そこに居る」と言う
 表現を使いたくなります。巨大な野生の獣の様な迫力が有り、公園等に飾り置かれている退役機とは
 全く違う「気」を発して居ます。抜け殻では無い、生きた迫力です。


 60年生まれのファントムは、ずんぐりしながらも全長が有り(約20メートル)真ん前から見ると
 700系新幹線にエアイインテークと翼が付いた様な形をして居ます。


 76年にドッグファイトに特化して設計されたイーグルは、平たいボディの一番高い所に操縦席が
 「ポッコリ」乗って居て、パイロットの後方視野の確保に腐心した設計が感じられます。


 緩い曲線的なファントムと違い、エアインテーク(ジェットエンジンの空気取り入れ口)の回りなど
 触れたら手が切れそうな、エッジーなデザインなのに、ボディの下部と双発のジェット噴射口周辺は
 緩やかな、曲面的なデザインに成って居ます。カッコイイ・・・。


 イーグルの操縦席までタラップで上がり見学しましたが、かなり高いです(゜_゜)コワイ位の高さで
 す。


 操縦席の高さからイーグルの機体後方を望むと、平たいです。何だか25メートルプールがそこに
 有るみたいな、翼が三角の金属の平べったい機体です。因みにイーグルの全長は19メートルです。


 操縦席の後方はガランドウで、バージョンアップした時の機器をそこに搭載する為のスペースだ
 そうで、イーグルにはまだまだバージョンアップの可能性が有るそうです。


 我々自衛隊モニターに優しく解りやすく説明してくれた整備担当のUさんはこう仰いました。


 「各国の戦闘機の保有数データがありますが、たとえ1000機の飛行機を保有していると言う
  国があったとしても、大切なのは何年経った機体でも、当初の性能を100%出せる整備を
  している機体じゃないと意味が無いと言う事です。我々は常に、どの機体でも当初の性能を
  100%出せる整備を実施して居ます」


 首都の制空圏を侵略する者は、ファントムとイーグルがお仕置きよっ!!


 ビバ!航空自衛隊百里基地!!