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 ぶっちゃけぼかぁ、安いワインを寝る前に飲んでます。


 暑い時期はビールやチューハイも飲みます、寒いと燗酒も飲みます。


 バーテンダーは普段、液体の事を考えて生きて居ます。


 北半球では地球の自転の関係で、液体は反時計回りの渦を巻きます。コリオリの力と言う法則です。


 酒と言うのは自然の恵みですから、例えばそれに逆らわない様に、酒に回転をかける、と言う理屈
 がひとつにあると思います。ステアにしろシェイクにしろ、そういう回転を心がけてみるのはあなが
 ち間違いでは無いと思うのです。


 水は上から下に流れます。これは地球に引力があり、地上の物体の全てがその影響から逃れる事
 は出来ません。


 だから、下の液体を上に吸い上げるストローが嫌いなんだな、ぼかぁ。


 ストローとは、世の中の液体の全てを最も不味く飲むアイテムです。


 ストローで飲んで例外的に美味しいのはマックシェイクだけです。


 あとは駄目。てんで駄目。


 バーテンダーは液体の入れ物、グラスの選択にも注意を払います。


 薄口のガラスか、厚口のものか。


 香りは立ち上がるのか、それともこもるのか。飲み物の色は綺麗に出るか、男性的なデザインなのか、
 女性が持ったら絵になるか?


 唇に当たった感触、熱の伝導、それこそキリが無い位に注意の払う所はあります。


 保管の方法もしかり。しかしストローはその全てを無視して液体を下から上にバキューミングする
 訳です。自然の理屈も無視しており、液体の味も香りもあったもんじゃねえ。

 
 この様にストローを忌み嫌う私が、寝酒のワインをストローで飲んでいるのだからヤレヤレだぜ。


 だって、寝る時に横になって本を読みながら酒を飲むには最適のアイテムなんだもん。


 ワインの味も香りもあったもんじゃねえ。でもなんかこの、液体を細い管から吸い上げる営みが、
 なんだかオパイに吸いつく乳児に戻った様な、睡魔に抗いながら吸い上げてる感じが何とも乙でね。


 乙じゃないか。