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 バーボンベースのカクテル、「マンハッタン」
  

 ミキシンググラスと言う大振りのグラスに氷を入れ、材料を注ぎバースプーンで
 混ぜ合わせます。このカクテルの調整法を「ステア」と言います。
  

 ステアで調整するカクテルの2大巨頭がジンベースの「マティーニ」とこの「マンハッタン」
 でしょう。
  

 マンハッタンの歴史は古く、1世紀以上前から飲まれていた、と言う説も在るほど。
  

 マンハッタンとはご存知ニューヨークのハドソン川とイーストリバーの真ん中の島、
 「マンハッタン島」の事で、ネイティブアメリカンの古い言葉で、「泥酔」や「酔っ払い」を
 指す言葉との事。 
  

 1626年、このマンハッタン島を治めていたネイティブアメリカンの首長を、オランダ商人が
 巧みに酔い潰し、その間に首長に契約書にサインをさせた。酔いから覚め、契約書を見た首長は
 「俺はマンハッタン(泥酔状態)だったから契約は無効だ!」と言ったが後の祭り。ズルいオランダ
 商人に見事に島を盗られてしまったとさ・・・。 
  

 こんなストーリーから「マンハッタン」=「酔っ払い」「強目のカクテル」みたいになったの
 でしょうか?
 

 オリジナルの製作者は定かでは無く、当時の粗悪なバーボンにベルモットを混ぜ飲みやすくした、
 とかニューヨークの「マンハッタン」というクラブでパーティー用に出された等、説が幾つか
 在る様です。 
   


 このカクテルもバーボンウイスキー、スィートベルモット、と常温保存のお酒を使う故、冷却は
 処方時の「ステア」の技術にかかっています。
  

 「ステアする」という事は、氷を溶かさずキリリとドライに作る事。(でありながら香りは残す)
  

 その限られた状況でキチンと混ぜ合わせる事。
  

 そして適切に冷却する事。 
  

 その3点のバランスを高次元で実現する努力を常に考え、実行せなばなりません。
  

 一見、派手で難しそうに見えるシェイクよりも難しいとされる「ステア」の技術。
  

 私はバーボンの香りを残しながら、キチンと混ぜる、と言う事を意識して処方しています。 
  

 香り付けのレモンピールの噴霧量も大事です。 

 
 
 ☆toranoanaレシピ☆
 
 ライウイスキー(オールドオーバーホルト)  45~50ml
 スィートベルモット(ノイリー)        15~10ml 

 ステアして冷却したカクテルグラスにサーブ。
 
 マラスキーノチェリー(赤)を飾りレモンピール。 
 
 ¥900