最近自分のTwitterアカウントで手元のiPhoneに残っている過去に食べたものの写真にコメントをつけて上げるのがマイブームです。
これって一番つまんないやつじゃないかと思われるかもしれないですが、日韓ハーフの私には、在日韓国人、朝鮮人やネイティブで日本語が読み書きできる韓国人のフォロワーが多くて、わりとウケがよかったりするようです。
例えばテンジャンチゲのような韓国料理を上げれば在日の人から「私もこれ好きなんですよ」と来るし、ちょっと変わった高級そうな日本食を上げるとネイティブの韓国人から「美味しそう!今度行ってみたいからお店を教えて」と来るのです。

で先日もそのiPhoneの写真を整理していると、下のタラバガニとズワイガニの写真が出てきました。

この記事はこの写真についてのお話です。

私は特許を取るたびに会社から賞状と賞金をいただいています。

それで晩年の母が入院していた年末に帰省したとき、私は広島に到着すると、そのまま父の車に乗って母が入院している病院に直行し、抱えてきた最新の特許の賞状を贈りました。

そのあと実家に帰ると、近所の大型スーパーに行って、一番高いタラバガニとズワイガニを特許の賞金で購入してきました。これらのカニを1日かけて自然解凍させると、翌日の朝にこれらの殻を外して身だけを取り出して冷蔵庫に入れておきました。

何故またカニを買ってきたのかというと、前年に別の特許をもらった際に、当時すでに入院していた母に会社からいただいた特許の賞金で同じようにタラバガニとズワイガニを買って病院に持って行ったら、母が喜んで食べていたからです。

ただ前年はカニと一緒に三杯酢だけ持っていったのですが、マヨネーズにもつけて食べてみたかったらしいので、この年は小さなマヨネーズ、土佐酢も買ってきました。
またカニを買ったついでに牛すじも買ってきて、その日の夜に牛すじカレーも作りました。母の入院当時、父は顔には出さなかったものの、看病疲れをしていたので、私は大型連休に帰省するとなるべくこういう作業を父の代わりにしていました。
どうしてカレーを作ったのかというと、どうも入院患者は病院食が物足りないので、こういうコッテリとしたものが食べたくなるらしい。私自身今入院していて母の気持ちがよく分かる。私もカレーが食べたい。

で翌日、元旦のお昼に私はカニとマヨネーズ類と牛すじカレーを準備し、父の車に乗って入院している母の病院に行きました。牛すじカレーのライスは途中で父がホカ弁に立ち寄り人数分買いました。

そして私は病床の母と父と親子で一緒にタラバガニとズワイガニと牛すじカレーを食べました。初めて作った牛すじカレーはなかなかよく出来ていました。結局この年の正月は他のものと一緒にずっとこの蟹のむき身を食べていました。

「一番高いタラバガニを買ってきた」などというと、いかにも俗物で成金臭く聞こえるかもしれませんが、私が未成年で親元で暮らしていた頃には、こういった高級な食品を親子で食べたことがなかったので、こうして親子で一緒に食べられてよかったのでした。

しかしこれらのカニが正月中親子でいくら食べてもなくならないので「ほいじゃが、このカニなんぼ食べてもなあならんのう」などと言いながら食べていました。

そしてこれらのカニを食べたのが母との最後の食事になりました。


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