今古い写真を整理しているのだけど、その中から私がある時期よく通っていた月島の『マシソヤ屋』さんという韓国料理店で食べたランチのビビンバの写真が出てきた。日付は2012年10月26日のお昼。

月島のマシソ屋さんは、いつもネイティブの韓国人の女性がカウンターに3人いて、楽しそうにお喋りをしながら働いてた。明るい気持ちのいいお店だった。ここの料理はハズレがなくて何でも美味しかった。
特にこの月はビビンバが通常780円のところ、500円だったので特によく通った。これがまた旨かった。

ところで、この写真を見ていて思い出したのだけど、後日談としてこんなことがあった。

私があまりにもこのお店に足繁く通うので、切り盛りしているお母さんが私を覚えてくれたらしく、ある日、私にこう聞いてきた。

「あなた、お国はどちら?」

おそらく私の三白眼の顔立ちから韓国人かと思って、気になってたんでしょうね。

私は一瞬答えに困ってしまった。

「ああ、私は韓国人ではないんですが、日本人と韓国人のハーフなんですよ。」

するとそのお母さんに「ハーフ」という私の言葉が聴き取れなかったらしくて首を傾げている。日本語の発音だと通じないのかな。

それで、

「私のお母さんは韓国人で、私の父は日本人です。」

と言ったら腑に落ちたらしく、ようやくにっこり笑ってくれた。でも読みが外れてちょっと悔しそうだったのがおかしかったな。😊


それにしても私の出自についてなんの警戒心もなく聞いてきたのは、このお母さんが私の人生で初めてだった。

よく異人種間ハーフの人が「幼少の頃から周囲の日本人たちに根掘り葉掘り聞かれてうんざりした」という話を聞くのだけど、私の場合は、逆に何も聞かれなくて寂しい思いをすることが多かったので、この日はこのお母さんに初めて自分の出自を聞かれて嬉しかった。
だって日本人は内心で同じことを思っても「失礼に当たる」として決して私自身に直接聞いてこないじゃないですか。
(では何故、日本人は異人種間ハーフの人に対してはズケズケと聞くのだろう。)

私の印象では、韓国人の方が日本人よりこういったことについて気軽に聞いてくる印象があるのだけれど、私もそっちの方が性に合ってるな。自分の母親もそんなノリだったからだろうか。

大体の場合、私は冷たい核家族的なノリよりも、おおらかな古い大家族的なノリの方が好きなのかもしれない。

日本人はよく「韓国人や中国人は図々しい」というけれども、私が日韓ハーフの視点で判断すると、結局はそれぞれ一長一短な気がする。

それにしても、あのお母さん、今でもお元気だろうか。



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