人間は何かしらを愛する。


人間は何かしらを憎む。


自然のままの人間の愛する量と憎む量はあまり変わらない。


だから世の中には両極端な人間が存在する。


1.愛することが少なく、憎むことも少ない人。


2.愛することが多く、憎むことも多い人。


1.の人と2.の人は目指すべきところが異なる。


1.の人にとって、人を憎まないことは造作もないことである。


それよりもその人は人を愛することを覚えるべきだろう。


2.の人にとって、人を愛することは造作もないことである。


それよりもその人は人を憎まないことを覚えるべきだろう。



人間は愛することを多くして、憎むことを少なくしなければならない。


しかし、これが人間の本性において、なかなか難しい。


では、彼らの場合、どうするのか。


1.の人は、世を捨てて引き込んでしまう。


引きこもってしまえが、人を愛することも人を憎むこともなく暮らせるからだ。


愛することもなく、憎むこともない人は、愛されることもなく、憎まれることもない。


やがては社会において、全く繋がりがなくなってしまうだろう。


2.の人は、内と外を使い分けることを覚える。


つまり、身内を愛し、身内以外に憎むべき人をこしらえる。


それから、身内への愛を持ち出して、敵を憎むことを正当化する。


(なお、これを国家単位でやるのがジンゴイズムである。


愛憎が激しく、それを制御できない人たちが、ジンゴイズムに飛びつく。)


2.の人にとって、憎まないことを覚えるよりも、憎んでよい理由を探す方が簡単なのだ。


(以下、続く)



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