最近、人間の性格分析に興味がある。
性格分析と言うのは、数え切れないほど多くの種類がある。一説には心理学者の数だけあるのだそうだ。
ところで、私は以前からこの性格分析のうちの一部に疑問を感じるものがある。
考えてみるに、性格分析と言うのは2種類に分類できるようだ。
それを仮に、以下のように名付けよう。
1.赤青黄性格分析
2.白黒性格分析
1.は、人間を、赤、青、黄の三色にたとえている。この場合、それぞれの色に上下はない。
それに対して、2.人間を白と黒の二色にたとえている。この場合、白のほうが黒よりも上であることが暗示されている。
私は1.は正しいが、2.は間違っていると思う。
2.の典型的な性格分析が「明るい性格」と「暗い性格」だ。
この性格分析においては、明るい性格の方が、暗い性格よりも正しい、あるいは上であることが暗示されている。
上の明るい、暗いのような差別的なニュアンスを含まないない性格分析として、「外向的」、「内向的」という性格分析がある。
これにしたがって言えば、人間の性格は2種類ある。
ひとつは内向的な性格であり、もうひとつは外向的な性格である。
この性格分析を用いると、それぞれの性格についての特徴は把握できるが、それぞれの人間が社会においてどういった役割を持つのかについては不明確である。
私はこの点を踏まえて、以下の性格分析を行いたい。
【ネットワーク型性格分析】
人間には2種類の人間がいる。
それは以下の2種類である。
1.コンピュータ型
2.(ネットワーク・)ケーブル型(厳密にはEathernet、FAXモデムのような通信装置を含む、また無線形態も含む)
コンピュータ型の人間とは、一人で思索や創作にふけり、何かしら社会的に有用な価値を創出するが、それを社会に提供する能力を持たない人間である。
彼らの財産は自らの価値観、知性、創作能力である。
このタイプの人間の欠点は内部でどんなによいものを発見、あるいは創作しても、それらを世に出す能力を持ち合わせないことである。
本来ならば、もう少し人付き合いを増やして、自分の考えたことや創作したものを世に広めるべきである。
先述の外向的/内向的の性格分析で言えば、後者の内向的性格の持ち主である場合が多い。
ケーブル型の人間とは、他人から受けた情報を別の他人に伝えることを生きがいにする人間である。
彼らの財産は自ら作り上げた人脈である。
彼らは少しでも多くの情報を少しでも多くの人間に提供しようとする。そのため、このタイプの人間は、少しでも多くの情報が流せるように太い回線、出来れば幹線(バックボーン)になろうとする。その一方において、このタイプの人間は自分自身のケーブルを流れるパケットの中身にどの程度の価値があるかについては関心がない。
このタイプの人間の欠点はコンテンツを創作する能力を持ち合わせていないことである。そのため、彼らは情報の良し悪しを見分けることが出来ない。また、創作能力がないので、受け売りを恥とする感覚もない。
彼らは、例えば、流行の大衆音楽の話で盛り上がるが、その音楽がいかに芸術的に優れているかについては関心がない。みんなと同じ流行の音楽を、話のネタとして仕入れておけば十分なのだ。彼らにおける情報とは、話のネタになるのであれば、哲学も、芸能人のゴシップも大差はないのである。
先述の外向的/内向的の性格分析で言えば、前者の外向的性格の持ち主である場合が多い。
さて、先述の外向的、内向的という性格分析では、両者の社会的な役割やお互いのつながりが不明確であったが、このネットワーク型の性格分析を用いれば、両者の役割がはっきりする。
コンピュータ型の人間は様々な思索や創作をして、それをケーブル型の人間に渡す。すると、ケーブル型の人間はそれを他の多くの人たちに配信する。配信された人の中にはやはりコンピュータ型の人間がおり、彼はそこから受けた刺激から、新たな思索や捜索を行う。後はそれの繰り返しである。
コンピュータはネットワーク機能の持たなければ、20年前のスタンドアローン型のコンピュータに逆戻りしてしまうが、ケーブルはコンピュータにつながらなければ、ただの紐である。
結論として言うならば、人間において、コミュニケーション能力の高さとセンスの高さは反比例するものである。
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