言葉の定義は議論をする上で重要ですね。
これを確認しないまま議論すると、議論があらぬ方向へ行ってしまうのが普通です。
例えば、以下のような問題があったとしますね。
【問題】 神は存在するか、否か。
これについて議論すると、大体意見が分かれるでしょうね。
しかし、その議論の内容を聞く前に、まず確認しないといけないのは、「神」という言葉の定義ですね。
それをどう定義するかで、話が違ってくると思うのですよ。
例えば、以下のような2種類の定義を考えてみましょう。
【定義1】 神:=雲の上で暮す仙人のような格好をした巨人
【定義2】 神:=この世の生命すべて
上の2つの定義はそれぞれ「神」の定義として適切かどうか分かりませんが、少なくとも、前者のように定義すれば、この世に神はいないでしょうし、後者のように定義すれば、この世に神はいるでしょう。
大体、「Aを肯定する」と言っている人間と、「Aを否定する」と言っている人間が言うAが全然違うものを差しているというのはよくある話です。
あるいは、「Aを支持する」と言っている人間と、「Bを支持する」と言っている人間が言うAとBが実は同じものであったというのもよくある話です。
ところが、世間では、こういった言葉の定義を確認しないまま大抵の議論を始めてしまうと、議論が侃々諤々になってしまうことがよくあります。
他人と議論していて、話が噛み合ってないなと思うときは、大抵、議題を構成する言葉の定義が食い違っていることが多いようです。
そう言う場合には、ひとまず議論を打ち切って、言葉の定義を確認した方がよさそうです。
それどころか、上のような議題の場合、言葉の定義自体が、そのまま結論をなしていると言っても過言ではないでしょう。
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