『Amazonで変なもの売っている』
谷山浩子/著 2014.8 イースト・プレス
この小説は恐い。
はじめは、これはおもしろい、おもしろいファンタジーだと思いながら読んでいた。
それが、だんだんと毒を感じた。
これは、毒が盛られたファンタジーである。
恐い。
既存の言葉にじゃれるような表現が気にはなっていた。
ふざけていたのね。
私は本を読む時に、あとがきから読むというくせがある。
筆者はあとがきに、小説を書くためにパソコンのキーを叩くことが、ピアノを弾き歌を作る時のような感じだというようなことを書いている。
筆者にとって、言葉は音楽なのだ。
物語が音楽であり、音楽が物語である。
音楽に物語を感じる。
今後、音楽を聴く時に違った聴き方ができると思った。
あらたな音楽の聴き方を得られたことはよかった。
しかし、おもしろいと思って読んでいた小説が、この小説は恐いで終わり、だまされたーという気持ちにもなっている。
読者は勝手なものだ。