　オホーツク海沿岸には稚内から網走・斜里まで1本の線路で結ばれていました。……と言いたかったなぁ。興浜北線・南線が結ばれないまま廃線となり夢物語で終わりました。

　その中で一番の幹線は名寄本線。内陸の名寄駅から興部駅まで来るとオホーツク海に沿って南下。

　中湧別駅から再び内陸に入り遠軽駅へ向かいます。

　中湧別駅は上湧別町にあった駅で、平成の大合併で湧別町になっています。

　上湧別駅は中湧別駅から遠軽駅に向かった先にあります。

　チョッと頭の中が混乱するかな。似たような駅名・地名が入り混じっています。

　中湧別駅には名寄本線の他に網走から湧網線が乗り入れ、さらに名寄本線支線として湧別駅に4.9kmの盲腸線も中湧別駅から発着していました。

　支線の顛末は、狭軌の軽便線として遠軽～湧別が開業した後通常規格の線路にする際、駅が海に近すぎて他の方面に接続できないことが判明して、名寄本線と湧網線の乗り換え駅は中湧別駅に変更されました。水産資源の輸送に便利と港に寄せ過ぎた湧別町の引鉄政策の失敗という話を聞きました。

　テツじゃない方に説明すると、直角に交差点を曲がる市電の線路を、新幹線は曲がることは出来ません。狭軌（軌間762㎜）から標準軌道（軌間1067㎜）に広げることで湧別駅はターミナル駅になるはずが支線の末端駅になってしまった歴史の悪戯が垣間見えます。

　名寄本線、湧網線のターミナルとなった中湧別駅の現在は、道の駅となっています。

　地元名産品のチューリップに因んでチューリップの湯と名付けられた温泉もあります。

　…、って目当てはこれじゃない！！

当時使われていた跨線橋、車掌車。

　以前は車掌車に入れたような気がしますが、施錠されていました。資料館のように展示されていたものもあったような記憶も……勘違いでしょうか。

すっかり薄くなりました。

看板と髪の毛は薄くなった方がいい。味わいがあります。

時計は何度振り返っても1時のまま。

止まっているとか、壊れているのではなく、1日に2度正確な時間を刻むためにその時を静かに待っているんです。止まっているんじゃない、待っているんです。きっとそうです。

名所案内。昔はどこの駅にもありました。

逆になんで見かけなくなったんだろう。

除雪用モーターカーも保存されています。

　跨線橋は施錠されています。

　幼い日にはオホーツク海沿いは1本の線路で縦断できるって……。本気で夢見ていたんだよなぁ。

旧 中湧別駅