第3話 盾蟹と新しき技
出演 亜矢 流れ者。カニ好き。
街に出て最初の獲物はカニだった。
村の用心棒をしていた頃、亜矢はダイミョウザザミの甲殻から作られた鎧を好んで身に着けていた。
「見た目がかわいくて、そこそこ作りやすい」
というのがその理由である。
街に来た今もまた、ダイミョウザザミの鎧を作るべく、ただひたすらにカニを狩った。
最初は一人で行っていた狩猟も、いつしか名も知らぬハンターの狩猟に同行するようになっていた。街の周辺にいるモンスターは、村の周辺のそれよりも強い。同じモンスターを標的とする者同士、協力して狩りをするのが街のルールのようなものなのだろう。
ユクモの村長の餞別で手に入れた武具は、現時点で手に入れることのできる武具のどれよりも強力であった。
「ある程度の実力をつけるまでは1人でやる」
という当初の亜矢の見込みは大きく外れ、武具の性能のおかげでほかのハンターと並んでも、足を引っ張ることはなかった。
「フム…君はなかなかいい動きだが、新しい技がつかえていないようだな。」
何頭目かのダイミョウザザミを狩り終えたとき、名も知らぬハンターが話しかけてきた。
亜矢 「新しい…技…ですか??」
「しらんのか。なら教えてやろう。」
そのハンターは、亜矢の握っていた片手剣を奪い取ると、すかさずジャンプ切りをする。着地したと同時に地面を滑り、滑りながら剣をふるって見せた。
「これが、新しい技だ。精進せよ。」
名も知らぬハンターは亜矢に片手剣を投げてよこし、風のように去って行った。
~続~
