言葉、紡ぐ詩 -97ページ目

言葉、紡ぐ詩

☆tomo.のブログ★

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その騒動が治まって、

街が平和を取り戻しつつある頃、
私はお城の、

中核組織のリーダーに会いに、
城内へ足を踏み入れていた。



お城には、

街全体を仕切る主と、
主の代役を務めるリーダー、
それを支える中核組織のメンバー、
また、それを支える

下核(げかく)組織が存在する。


下核組織のメンバーは、
城内の掃除や、

料理の仕度などの職務を
中核組織のメンバーは、
街の警備や、

街の人々を守る職務を
それぞれに召し遣っており、
リーダーは、

主の秘書として働く者である。


リーダーの所までは、

あの騒動の時、私に声を掛けてくれた
青年、ケイに案内してもらった。



〈あなたは、悪い人たちを

捕まえる役割なんですか?〉


「ふふっ。ケイでいいよ。
う~ん、そうだね、

そういう役職を頂いているからね。」


ケイはそう言って笑った。


〈ケイ…さんは、怖くないんですか?
そのお役目に就いていて。〉


「う~ん、そうだね。
怖くない・・・って
言いきれないのが残念な所だけどね。
それより、君は?怖くなかったの?」


〈トモでいいです。
私は…自分が分からないので。〉


「自分が分からない?」


〈はい。
幼い頃の記憶をどこかに
置いてきてしまっていて。
名前や今の生活は分かってますけど、
自分がどういう人間か分からないので〉


なぜか、彼の前では

素の自分で居られるようだった。


昔の記憶がないのはなぜか?
それもまた、分からない。
分からないけど、

私には思い出せる過去の記憶がない。


その時は、なんとなく

夢の中だからだと思っていた。
炎が上がったあの日、

私はこの世界に来たのだと。



いろんなことを彼と話して、
自分の中で事の経緯を

整理をしていると
リーダーの所へ辿り着いた。


ケイは微笑むと、


「大丈夫ですよ。
街の皆はたくさんの

噂をしますけど。
リーダーも普通の人間です。
僕らと何も変わらない。」


そう私に語った。
ケイのその言葉は、

なぜか耳に残った。
それはきっと、
その言葉に

違和感が存在したからだろう。

普通でない人間が、

この世界に存在すると
そういう捉え方もできる

セリフだったから。