どうやら、
力の差はあるものの、
魔術には、破壊の力は
勝てないらしい。
つまり
ここに私が居ることは
必要なことなのだと。
ただ、
言葉が引っ掛かっていた。
『私の中に
棲みつく悪を取り除け。
これから彼らの増殖が始まる。
もう手遅れかもしれん。』
男が言った言葉。
「お前なら、
あの炎の男の命も、
あるいは
僕の命も助かる道を
知っていると思ったのに…」
少年のか弱い心の声。
そして、
「なぜ、人間の味方をする?
お前の内なる力は、
破壊に使っていくべきだ。
この世は人間どもに
支配されてしまった。――
魔女狩りと称して
お前たちの仲間を
殺した人間どもが
この世界を牛耳るのは
間違ってる。」
魔物の言葉が。
どちらに耳を
傾けるべきか迷っていた。
私は魔物かもしれない。
人間の命を
最優先できない私が一番、
魔物に近い精神を
持っているのかもしれない。